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ちょっとクサい話

 少々、クサい話で恐縮――。

 

 TOTO(福岡県/張本邦雄社長)の実施したインターネット調査(n=500)では、男性がトイレの洋式便器で小用をする際に、33.4%が座っているという。前回の2004年との比較では9.7ポイントも増えている。

 

「嘘だろう」と目を疑う半面では、思い当たるフシもある。

 

「スタンディング派」の私は、常に、枠からこぼれないように細心の注意を払いながら慎重に用を足すのだが、蒸し暑い真夏などは、しばらくすると、どうしてどうして、臭うようになる。他の家族には、「スタンディング派」はいないので、犯人は間違いなく私だ。でも、枠内にシュートしているのだから、どうしても腑に落ちない。

 

 最近知ったのは、「スタンディング派」の場合は、本人の確固たる自信とは裏腹に、目に見えない尿の粒子が知らぬ間に飛散しているという事実だ。

 

 であるならば、落ちた飛沫を視認化できるように施し、汚れを浮き彫りするような床材が開発されれば、その都度、掃除ができ、きれいなトイレを維持できるはず――。

 

 ところが、そんな浅はかな発想を遥かに超越した製品がすでに市場にはあった。「抗菌効果」と「防臭効果」を兼ね備えたタイルだ。

 

「スタンディング派」という習慣を変えるか? トイレの床タイルを変えるか?

 

 清潔なトイレを守るためには、解決策は2つあることが明らかになったわけだが、ホームセンターなどのリフォーム売場では、そんな二者択一の選択肢の提案はなく、想像を遥かに超える凄い製品が陽の目を見ることもなく、ひっそりとカタログに掲載され倉庫を温め、メーカーの宝の持ち腐れのような状態が続いている。

 

 そして、このように、消費者の不満を解決する製品はあるのに、消費者の不満を知らないがゆえに解決策を提案できないというケースは結構あるような気がする。