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餃子の王将、鬼軍曹は商人

 不況もものかは、餃子の王将の快進撃が続いている。昨年12月には、宮城県仙台市に1号店を開業し、東北地方への進出も果たした。

 テレビでは、東京地区本部長の渡辺直人常務取締役が鬼軍曹として、仙台1号店を開業させるまでのルポを流していた。

 オープン初日は、満員御礼。開店から閉店まで、ずっとお客が長い列をつくり続ける。

 寒さには慣れている仙台っ子にとっても年末の棒立ちは、さすがに身に堪える。その様子を見た、渡辺常務は咄嗟に機転を利かせて、通り沿いのドラッグストアに飛び込み、携帯カイロを大量に購入し、列をつくるお客に配り始めた。

 テレビでは、その場面は、大きくは取り上げていなかったが、(1)貼るタイプではないカイロを、(2)袋から出してお客に一個一個手渡ししていた。

 並んでいる時に冷えるのは足の裏と手のひら。だから貼るカイロにしない。皮をむいてお客に渡すのは、空ける手間をなくすだけではなく、店頭にゴミが散らかるのを未然に防ぐという意味でも効果的だ。

 機を見て敏に動く――。実際にお会いしたことがないので、実態はどうか分からないが、テレビの画面を見る限り、こういう商人然とした役員のいる企業は強い。