「アマゾンエコー」(=アレクサ)がわが家に来たのは半年ばかり前のこと。挨拶もそこそこ、好奇心の赴くままに、さまざまな機能を試してみた。
けれども、フラストレーションが溜まり身体によくない。
何より腹立たしいのは、音の聞き分けが悪いことである。アレクサとの「しりとり」は最悪だ。一部の言葉を誤認識してしまい正しく返しても、「間違い」と指摘されてしまう。逆に誤って返した時にも、言った覚えのない言葉が「正しい答え」として誤認識されることが多々ある。
100万曲を保有する「アマゾンプライム ミュージック」もストレスだ。
アレクサに「AというバンドのBという曲をかけて」と話しかけても、在庫されていないことがほとんどだからだ。それもそのはずで、過去50年間にわたって発売された世界の楽曲数のうちの100万曲などは氷山の一角に過ぎない。
リクエストした曲がないのなら、それはそれで諦めがつくのだけれども、「4000万曲を抱える『アマゾンプライム ミュージック アンリミテッド』に入会すればかけてあげる」と提案してくるのだから、たちが悪い。
その誘導は、自分の聞きたい曲が100万曲の中にない場合は、何度も行われる。
そして、そんな押し問答を繰り返しているうちに、ついにアレクサは私の返事を聞き間違え、ある日、知らない間に「アンリミテッド」の会員にされてしまった。
1ヶ月間は無料(2ヶ月目からプライム会員は月780円)なので、金銭的にはどうでもいいことなのだが、無料期間が切れ、正式入会を断った今では、また事あるごとに「リミテッド」に誘われるようになってしまった。
「もういや」。自分の割舌の悪さを呪うとともに、音声認識が売りのデバイスに音声認識をしてもらえないという事態に白旗を揚げるしかない。
ただ、アマゾンは、こうした負の意見をことあるごとに積極的に求めている。きっと1年もしないうちに聞き取りの精度は格段に上がっていくのだろう。
いまはもっぱら、アレクサを介してラジコを立ち上げ、AMラジオを聴く毎日が続いている。