日本チェーンドラッグストア協会(神奈川県/青木桂生会長:以下、JACDS)の事務総長の宗像守さんが2018年6月26日に死去した。享年63歳。「食道がんの治療に入るが、秋には復帰する」という言葉を残しての急逝だった。
宗像さんは、1955年6月28日の生まれ。85年に日本リテイル研究所を設立すると、95年にはドラッグストアMD研究会を設立。97年にドラッグストア産業化推進センターを設立し、99年のJACDS設立に尽力した。
「彼はJACDSのかけがえのない基幹エンジンだった。協会の設立に奔走し、設立後は事務総長として組織の礎を築くとともに、協会運営や事業を力強く牽引した。彼の存在なくして今日のチェーンドラッグストア産業界とJACDSの発展はなかった」。青木桂生クスリのアオキホールディングス(石川県)会長は、宗像さんの功績を激賞する。
「2000年に第1回Japanドラッグストアショーを開催し5万人超を集めた。今年は18回めを迎え、来場者規模も13万人に成長した。50年ぶりの薬事法改正、セルフメディケーションの推進など、彼の志が日本の医療制度改革に貢献した」と言うのは松本南海雄マツモトキヨシホールディングス(千葉県)会長である。
キリン堂ホールディングス(大阪府)の寺西忠幸会長は、「『志高き人々の集団たれ』を哲学として、常に議論を尽くすという運営の基本から全くぶれることなく、あらゆる局面を打開してきた」と宗像さんの功績をたたえる。
また、青木会長は、「薬剤師不在問題」にかかる薬事法改正や、「調剤ポイント付与問題」の解決は、「彼でなければなしえなかった最大の偉勲」と評している。
近年も、「(ドラッグストアの)社会への貢献」「10兆円産業への挑戦」「街の健康ハブステーション構想の実現」「全国保険医療情報ネットワークの2020年本格稼動」など、さまざまな目標を掲げ、猛進していた矢先だった。
JACDSは、創立20周年を目前に倒れた故人の遺志を継ぎ、ドラッグストア業界のさらなる発展に向け邁進すると表明している。
合掌。