ケーズホールディングス(茨城県/遠藤裕之社長)の2017年3月期第2四半期の決算は売上高3279億円(対前期比2.7%増)、営業利益112億円(同14%増)、経常利益148億円(同16%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益89億円(同35.1%増)だった。
増収2桁増益をキープし絶好調にも見えるのだが、登壇した遠藤社長の表情はいまひとつさえない。それというのも、売上高が計画の3382億円に対して約100億円ショートしたからだ。
原因について、遠藤社長は「今夏は、西日本は酷暑が続いたものの、東日本はそれほど長く暑い状態が続かなかった」と分析。その結果、①エアコン、②冷蔵庫、③季節商品の売上が低迷したという。
ただし、遠藤社長は決して沈んだままではない。
今年売れなかったエアコン、冷蔵庫、季節商品の需要が日本から消えてしまうわけではないからだ。「今年買わなかったお客さまは、来年が暑ければ必ず購入してくださる。加えて来年に購入を予定しているお客さまがいらっしゃるから、次年度の潜在需要は格段と大きくなる」(遠藤社長)。
つまり、天候不順下でも、3~5年のタームで業績をならしてみれば、売上総額は変わらないということだ。
流通業には同じような企業がいくつもある。
アパレルは、家電量販店にもまして、売上が天気に左右される“天気産業”だ。
たとえば、ユニクロだ。同社はベーシック商品を主体に扱っているけれども、冷夏で気温が低いときに、Tシャツや短パン、水着がバカバカ売れるわけがない。もっと言えば、空梅雨【からつゆ】の中ではレインコートなどはまず売れない。
しかし、同社の場合は、既存店前年割れが3~4ヶ月続くと、ひどいときには1ヶ月で「不調」や「企業終焉」の烙印を押されてしまう。
そして、そんな考え方をしていくと、決算期間が1年であること自体、ナンセンスだという企業や業態もあることがわかる。
短期の利益に拘泥していないアマゾン・ドット・コムは、その典型ではないか?
企業をひとつの尺度で比較することは難しいのだから、3年周期や5年周期、10年周期で決算する企業があっても、本当は何の不思議でもない。