[東京 30日 ロイター] – 西村康稔経済再生相は30日、都内で新型コロナウイルスの抗原検査の現場を視察した後に記者会見し、感染が増加傾向にある東京都などについて、国民の命を守るため、状況をみて緊急事態宣言やまん延防止等重点措置を機動的に活用すると述べた。
多くのシミュレーションで感染者数は1000人超へ
東京都など10都道府県に適用されているまん延防止等重点措置は7月11日が期限となっているものの、東京など首都圏は新規感染者数が再増加傾向にあり、政府の判断が注目されている。
東京都は30日、新たに714人の新型コロナウイルス感染が確認されたと発表。前週の同じ曜日を上回るのは11日連続で、700人台は5月26日以来となった。直近7日間移動平均は前週比20.3%増の508.4人で、感染状況が最も深刻なステージ4の水準となった。
西村氏は「緊急事態宣言を解除した際に人流は当然増えるものと想定している」と述べ、30日に開催された関係閣僚会議で示された多くのシミュレーションで(1日の新規)感染者が1000人を超えて行くとの結果であったと指摘した。
一方、「重症者の数はかなり低く抑えられ、足元で東京の重症者数も急激に増えていない」との認識も示した。
その上で「重症者数が減っても若い人の感染が増えれば中小の病院など負荷がかかる。医療提供体制をみたうえで(まん延防止解除・延長など)判断したい。国民の命を守るために必要があれば当然緊急事態宣言あるいはまん延防止重点措置を機動的に活用する」と述べた。
東京五輪・パラリンピックの観客上限数については、現在まん延防止が解除されるとの前提で上限1万人、収容人数の50%と定められているが、まん延防止の延長が決まれば、「(上限5000人、50%との)一般的なイベント規制に準じて、組織委員会や5者協議で判断される」と述べた。