一年経っても収束の見通しすら立たないコロナ禍。スーパー愛好家でもある落語家・立川志ら乃師匠もイベントの中止などもろに影響を受ける日々…。しかしそんななかでも、恒例の「スーパー打ち上げ」は健在!? 今回は”東京のローカルスーパー”ともいうべき「文化堂」への愛を語りつくします。
寄席はなくなっても、「スーパー打ち上げ」は敢行!
4月25日の昼に開催予定だった豊洲での落語会を中止にしました。夜間の開催だといろいろ規制がかかるので、「それならば」とすべて昼間の開催にして対応し始めた矢先の緊急事態宣言。
事前に諸々計画を立て、電車に乗って会場費の払い込みをしに行き、当日何もしないまま会場費の払い戻しを行いに電車に乗って現場へ行く。自分で穴を掘ってただその穴を埋めるような作業を、ここ一年のうちに何回やったことだろうか。もう少しで「ドMの遊び」というタイトルの新作落語が出来そうなので、とくに問題はないのですが。
それにしても、状況の変化に対しいろんな対応してきましたが、基本的に収入がプラスになる活動場所をすべて失い、本連載の原稿料が生命線‼ ダイヤモンド・チェーンストアありがとう…‼
とにかく、「命令」だと補償が必要なので「お願い」的なかたちで自主的に自粛をさせる手法で追い込むやり口に腹を立てている場合ではないと、会はやらずとも打ち上げだけでも敢行することに。打ち上げとはもちろん、本連載でも何度も触れている「スーパー打ち上げ」のことです。
アジフライがおいしいスーパーは、魚もうまいのだ
勝手に「関東ローカルスーパー通い隊」の隊員になった私が豊洲で行く先は「文化堂豊洲店」です。この店で私が買いたいものは「魚」と「アウトレット商品」。もちろん「肉」も素晴らしいのですが、肉は他でも入手可能な場所が多いので優先順位として「魚」を上位に。
見かけるとほぼ100%カゴに入れるのが、アジフライ。大きけりゃいいってもんじゃないことはわかってますが、大きいです。アジフライってこんなに大振りでプリプリ食感だったっけ?と思わせる味わいです。たまに小骨が残っていることがありますがそこはご愛嬌。そもそも魚を食べるってそういうことだから‼
ちなみに学生の時、デパ地下で貝を売るアルバイトをしていたのですが、「貝から砂が出てきたのでもう買いません」という内容の「お客様の声」が定期的に貼り出されました。貝の地元は”砂場 なんだよ!っていうか、砂出しするのが面倒&砂が嫌だ!であるならば、冷凍剥き貝を買え!と心の中で叫んでいました。
とにもかくにもアジフライが良質なら、その店で売られている魚の質も信用していいでしょ、というのが私の考え。写真には2枚しか映ってませんが、スーパー打ち上げ同行者とシェアした後なので、本当は3枚で1パックの商品です。また、いつもは値引きになる前に売り切れてしまうので、40%引きシールが貼られているのはそこそこレア。
アウトレットコーナーを物色すると…
そしてお次は「アウトレット商品」。お買い得商品というよりも、メーカーなどの在庫品をお手ごろ価格で提供という趣旨なのでしょう、本当にビックリするような価格の時もあるし、そこまでではなくともオーケーよりもやや安いくらいの価格帯で売られていることが多い印象です。
最近だと丸亀製麺の乾麺900gが399円(4月25日の段階ではまだ売っていました)とか、人にあげちゃったので詳細覚えてないけど三本珈琲のコーヒー豆(挽豆)が300gで199円で売られていたのが印象に残ってます。
ところで、「メーカー小売希望価格の半額以下」みたいなポップをスーパーでよく見かけますが、「そもそもが高く設定してあるだけでしょ」と思われてしまうのでは? といつも感じています。なので、ある程度の調査が必要になってきますが、「一般的な価格よりも200円ほどお得」とか「ネット最安値よりも50円安い」みたいな書き方のほうが明確な「お得感」を感じやすいかも。得をしたいというよりも、損をしたくないと思っている人たちにとってはとくに有効なのではないでしょうか。
リピート確定!「えびの高原」シリーズに刮目せよ!
さて、アウトレット商品のコーナーを回ってまだカゴに余裕があれば、文化堂でしか見かけないセレクト商品と総菜に手を伸ばしたいのですが、いつも歯を食いしばって断念しています。なぜなら落語会の帰りに寄るので、入店前からすでに大荷物。しかし先日は落語会を中止にした帰りなので、大分調子に乗りました。
まずは「えびの高原 冷凍牛テールカレー」と「えびの高原 冷凍牛もつ煮」(いずれも丸正フーズ)。値段が税込270円程度ということと、「えびの高原ってなんだよ!」という素朴な疑問を抱いたことが購入動機。帰宅後検索したら、宮崎県えびの市のふるさと納税の返礼品にもなっていることが判明。つまりはそれなりの品ってことでいいんでしょう。
そしてその味は…旨い‼ どちらも旨いのですが、とくに牛テールカレーは同価格帯のこういった商品の中では図抜けた旨さ。”レトルト感”はほぼないと言っていいでしょう。ちょっとした喫茶店で出て来ても大満足なクオリティでリピート確定です。
「ポモーン」って何だよ!? でもめちゃくちゃおいしいフランス直輸入のタルト…
さらにレジ近くの寿司&中華を爆買いしたあと、デザートも見ておくかと、冷凍食品コーナーへ。
そこで目に飛び込んで来たのがポモーンの冷凍タルト。以前「オオゼキ松原店」で小分けで販売されているのに出くわし、「ポモーンってなんだよ!」というお約束の購入動機が発動して購入して以来、何度かリピートしていた商品です。そのポモーンの「アップルタルト」「アップルノルマンドクリームタルト」「レモンタルト」の三種類が売られていた様子。「様子」と書いたのには理由があり、私は以前ショコラしか購入したことがなかったため、これは欲しい!と棚に近づいたら完売していたのです。(編集部注:ポモーンはフランスのデザートメーカーで、日本では三菱食品が直輸入している)
落語会の帰りだとタルト丸々一個を買うには大荷物になり、なかなか手が伸びないので本当にこの日は大チャンスだったのに…しばらく商品の値札をわさわさ触ったあとレジヘ。
文化堂豊洲店はリピートしたくなる他では見かけない商品&超安定した生鮮食品群がわれわれを待ち構えているので、本当に大好きな店舗。豊洲の落語会のついでに文化堂、いや文化堂のついでに落語会、いやいや文化堂だけの文化堂でもいいや。それくらいオススメです。
立川志ら乃
1974年2月24日生まれ。98年3月、立川志らくへ入門。2012年12月に真打ち昇進。16年7月に「スーパーマーケットが好きである」ことを突如自覚。スーパーに関する創作落語に「グロサリー部門」「大豆なおしらせ」など。寄席やイベントなどのスケジュールは下記Twitter・ブログをご参照ください。
Twitter:@tatekawashirano
ブログ:https://ameblo.jp/st-blog/