落語家・立川志ら乃のスーパーマーケット徒然草 第13回 オーケーの「ポイントが貯まらない会員カード」の魅力
地味だけど、気遣いの塊なのです
「ポイントが貯められないのは楽しくない!」という方は、ここで読むのを切り上げ是非ポイントが貯まるスーパーに今すぐ行って下さい。以下、私が考えるポイント制ではないオーケークラブカードの魅力をご披露します。
①レジでポイントを貯めるか否かの確認がない
現金、クレジットカード、電子マネー、バーコード決済…支払い方法が多岐に渡る今、その確認だけでもレジ対応で多くの時間が割かれます。そこに「ポイントカードお持ちですか?」「ポイントは使わずに貯めますか?」といった確認も発生すると、混雑時間帯はレジが大渋滞。実際そのような現場をたくさん目撃しましたので、少しでも作業の削減がなされている方がお店もお客もありがたいことだと思います。
②「使い切れない」ということが絶対に起こらない
発行即日有効な値引きカードなので当然なのですが、「ポイント残留」が発生しない仕組みになっています。だから会員は「得をする」というよりも「損をしない」。見方を変えると、オーケークラブのカードには「次回来店をカード(ポイント)によって促す」というお店側の「集客」という欲望が透けて見えることがない。それがオーケークラブのカードの魅力なのです。
派手なポイント還元セールやポイント○倍キャンペーンなどがありませんので、地味です。オーケークラブカードは地味です。でも、お客の立場を徹底的に考えているカードはオーケーカードだと私は思っています。
カードを持ってさえいれば、常に割引価格で買物ができる――。酒専門店のカクヤスが「23区内送料無料」という手法を取っているのと少し似ているなと思いました。23区民であれば「自分がエリア内にいるのかどうかの確認」というストレスがない。
あと、これはまた違う方向性のサービスですが、お母さんがカードを所持しており、家族の他の人間がそのスーパーで買物をした際、「レシートを後日持って行き後付けしてもらう」みたいなことをなくそうと、丸正では本カードの他に家族用でハーフサイズのカードが2枚もらえるという粋なサービスも。
「ポイント付与」にとどまらないこうしたアイデアは、その店舗の”気遣い”だと思うのです。
立川志ら乃
1974年2月24日生まれ。98年3月、立川志らくへ入門。2012年12月に真打ち昇進。16年7月に「スーパーマーケットが好きである」ことを突如自覚。スーパーに関する創作落語に「グロサリー部門」「大豆なおしらせ」など。
Twitter:@tatekawashirano
ブログ:https://ameblo.jp/st-blog/