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週末読書おすすめの一冊:問題の本質を見極める

イシューからはじめよ(英治出版)

イシューからはじめよ
本体価格¥1800+税/英治出版

著者:安宅 和人(ヤフーCSO、慶應義塾大学環境情報学部 教授)

 このコロナ禍、本稿執筆時点においては第一波が終息しつつある中ではあるが、まだまだ予断を許さない。都心への出勤者も減り、テレワークを中心とした脱オフィス化の動きは今後も続くであろう。いわゆる「新しい生活様式」が求められる中で、今後の働き方はどう変化していくのか?1か月後の状況すら予測できない現在においては、より「本質的な知識、考え方」を習得することが肝要である。

 この「イシューからはじめよ」は、そんな物事の「本質」を捉えるうえで大いに参考となる書だ。何より発行が10年前の2010年。2019年に、実に第32刷である。これほど長きにわたりビジネス書として書店に君臨し続けるということが、普遍的なものにフォーカスし、ビジネスパーソンに愛され続けている証左であろう。

 著者の安宅氏は近著「シン・ニホン(NewsPicksパブリッシング)」を発刊したタイミングもあり、アフターコロナという文脈で多くのメディアに取り上げられている。ユーモアを交えながらも、わかりやすく、強いメッセージを発信する。そんな安宅氏が書き留める本書は、その人柄がそのまま表現されていると感じる。

 序盤からムダといえるアプローチを「脱・犬のみち」と表現。その解はやはり問題の本質を捉える力が必要であるという。手書きの図を交えて「犬のみち」を避ける方法を伝えてくれる。難しいことをわかりやすく、ここにも長年にわたり読まれ続けてきた理由がある。

 10年前に発刊されたとは思えない本書は、物事の本質を捉える力を養うためのビジネス書として、強く推薦したい書である。

 

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イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」