[ワシントン 17日 ロイター] – アルファベット傘下のグーグル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コムの米巨大IT企業3社が、その規模や活動範囲の広さ、技術力を生かして新型コロナウイルス危機と戦う米国民の支援に乗り出している。反競争的慣行などを巡って司法省や連邦取引委員会、下院司法委員会などの監視や批判の対象となってきた3社にとっては、そうした批判を跳ね返して企業イメージを向上させる好機だ。
3社は、いずれも潤沢な現金や米国民の生活への巨大な影響力がある。新型コロナウイルスの感染拡大は、膨大なデータを奪い取って不当な利益を得ているというイメージを払拭し、救世主の役割を果たすチャンスをもたらしている。
フェイスブックは17日、新型コロナによる経済的な打撃を和らげるため、30カ国以上で最大3万社の中小企業に対し、現金による助成金1億ドルと追加信用を供与すると発表した。
また、グーグルは13日、グループのライフサイエンス部門、ベリリーが新型コロナウイルス感染症で検査を受ける必要があるかどうかの判断を支援する専用サイトを開発していると明らかにした。
アマゾンは、創業者のジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が最近、定期的にホワイトハウスのスタッフと連絡を取り合っており、16日にはオンライン注文の急増に対応するため、米国で倉庫の従業員および配達員10万人を雇用すると発表した。さらに、4月まで1時間当たり15ドルの最低賃金に2ドル上乗せすることも明らかにした。
3社が加盟するシンクタンク「テクノロジー・ポリシー・インスティテュート」のスコット・ウォルステン会長は、現在の状況は、テクノロジー企業に対する人々の考え方を変える機会をもたらし、巨大IT企業がどのように競争を阻害しているかを巡る議論に新たな一面を加えると指摘した。