海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語“の基本を教えます!第41回は、前回同様グロサリー売場を舞台に、価格イメージをどうつけるかの戦略に踏み込みます。(これまでの全スキットはこちら)。
今回のシーンと登場人物
ディスカウンターとの競合対策を学ぶため、やまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、コーディネーターの大森剛と共に、ウォルマートと競合するダンデライオン・マーケットを訪問した。2人は、レイノルズ取締役と旗艦店のストーン店長に生鮮の売場の案内を受けた後、ウォルマート対策の話を聞いた。その後、店舗視察を再開。現在、グロサリー売場を視察中である。
登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長
難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し
今週の英会話
ストーン:We are very careful when communicating prices to the customers. As you know, our budget for sales promotion is limited.
価格についてのお客さまとのコミュニケーションには気を付けています。 ご存じのとおり、販売促進に費やせるわが社の予算は限られています。
レイノルズ:So, we must use the budget wisely and strategically.
ですから、その予算を賢く、戦略的に使わなくてはなりません。
山田:Strategically. But how?(上級)
戦略的に。でも、どのように?
レイノルズ:Consumers have a certain price image for a store. For instance, people have a set image of Wal-Mart prices.
消費者はある店に対して特定の価格イメージを持っています。 たとえば、人々は、ウォルマートの価格について、固定的なイメージを持っています。
ストーン:In other words, people think Wal-Mart sells everything the cheapest. But that’s not always true.(上級)
言い換えれば、ウォルマートはすべての商品を最も安く売っているというものです。 しかし、それは常に真実というわけではありません。
解説
前の号から続いているグロサリーの価格の話は、まだ続いているようです。相手の説明が長く続く場合、通常、私たちは相槌を打ちます。英語で相槌といえば、映画やテレビドラマでよく見かけるのは「uh-huh(アハー)」ですね。しかし、今回のスキットのようにちょっと込み入った話の場合には、相手の話をいったん受け止めて、短い質問形式で話を促すのも相槌の代わりになります。山田社長の言葉に着目してください。
このセンテンスを覚えよう!
Strategically. But how? : 時として文章にしなくても単語がす べてを語ることがあります。山田社長のこの言葉もそうです。 Strategically は strategy(戦略)の副詞です。前の文章でレイノル ズ取締役が使った「戦略的に」という言葉を繰り返すことで、山田社 長はその戦略に関心を持っていることを表現しています。そして、 「でも、どのように?」と話を促しました。この場合も、How do you communicate ~? と長々と質問しなくても意図は十分伝わります。
That’s not always true. : 「常に真実とは限らない」の意。 always(常に)があるかないかで意味合いがまったく異なります。ぜ ひ覚えていただきたいのは not always です。「常に~とは限らな い」「必ずしも~ではない」の意味です。The rich are not always happy(金持ちが必ずしも幸せとは限らない)は有名なセンテンスで すね(ちなみにこの場合は be動詞は are になります)。
KEYWORD 一般用語
budget : 「予算」「経費」。国家、企業、家庭のいずれの場合にも使 います。「予算を組む」「予算を計上する」という動詞にもなります。
KEYWORD 流通用語
sales promotion : 「販売促進」。日本でも日常的に使っている言葉ですので、説明の必要はないと思います。そういえば、promotion には「増進」「促進」のほか、「昇進」の意味もありますね。セールス プロモーションを成功させてプロモートしたいものです。