アニメーション映画「崖の上のポニョ」のモデル、広島県福山市・鞆の浦で地魚に舌鼓

2025/04/29 05:55
森本 守人 (サテライトスコープ代表)
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鞆の浦の地魚 地元で水揚げされた鯛料理を味わう

 店内にはカウンター席のほか、4人掛けのテーブルが2卓が置かれている。こじんまりとしているが、落ち着けそうな隠れ家的な雰囲気が気に入った。

 カウンターに座った私は、早速、お品書き見て何を食べるかを検討する。鞆の浦で有名な魚といえば鯛。店員のお姉さんに聞くと、鯛、さらに舌平目などは地元で朝、水揚げされたものを使っているらしい。悩んだ結果、看板メニューの「幸さん定食」に決めた。

看板メニューの「幸さん定食」に決めた
看板メニューの「幸さん定食」に決めた

 料理を待つ間、店内を観察すると、私以外の2組は外国人観光客だった。欧米系で、いずれも店員とコミュニケーションを取る時、日本語を話していたから、かなりの日本通なのかもしれない。

 10分ほどで届いたのがこの料理。どうですおいしそうでしょう。

料理が来た
料理が来た
鞆の浦で有名な鯛をいただく。おいしい
鞆の浦で有名な鯛をいただく。おいしい

 味噌汁で口を潤した後、まずは立派な鯛の塩焼きから。箸で少し身をとり口へ、うん、おいしい。続けて鯛の刺身。地物との情報を得た効果もあり、かなり美味だった。ちょっとずつ盛られている煮物なども最高、無心で食べた。そして完食、ごちそうさまでした。

 お腹がいっぱいになり、しばらく呆然としていた。少し時間が経って正気を取り戻した後、店を出てまた歩き始めた。次なる目的地があったためだ。

 行き先は「仙酔島」(せんすいじま)。鞆の浦から5分で着く無人島で、1934年、日本初の国立公園に指定された「瀬戸内海国立公園」を代表する名勝地だ。島名には、「仙人も酔ってしまうほど美しい島」という意味がある。

食後、離島の仙酔島へ。船で5分で着く
食後、離島の仙酔島へ。船で5分で着く

 連絡船で海を渡る間、デッキに出て風を浴びると気分がよかった。あっという間に到着、島内を歩き始めた。私以外にあまり人はおらず、ほぼ貸切状態である。何もない場所の土をただ踏みしめるのは贅沢な時間だった。

島内を歩き始める。ただ海を眺めていた
島内を歩き始める。ただ海を眺めていた

 歩きながら、約400年前、伏見城の一部を積んだ船が鞆の浦に着岸した光景を想像していた。

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記事執筆者

森本 守人 / サテライトスコープ代表

 京都市出身。大手食品メーカーの営業マンとして社会人デビューを果たした後、パン職人、ミュージシャン、会社役員などを経てフリーの文筆家となる。「競争力を生む戦略、組織」をテーマに、流通、製造など、おもにビジネス分野を取材。文筆業以外では政府公認カメラマンとしてゴルバチョフ氏を撮影する。サテライトスコープ代表。「当コーナーは、京都の魅力を体験型レポートで発信します」。

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