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“勉強会”リバイバル

 流通業界がまだローカルチェーンの集合体だったころ、ノウハウを教え合う“勉強会”が自然発生した。総合スーパー企業なら大成会、SM企業なら六社会や現存するAJS(オール日本スーパーマーケット協会)、HC企業ならDMC(DIY・マーチャンダイジング・コーポラティブ)といった具合だ。

 ところが、ローカルチェーンがリージョナルチェーンに成長し、互いのドミナントエリアを侵食し始めると、“勉強会”は自然消滅していく。何も進んで敵に塩を送る必要はないという判断は当然だ。

 また、イオングループのようにM&A(合併・買収)を繰り返しながら、企業が巨大化した場合、本部主催で“勉強会”を開催すれば事は足りる。だから、寡占化が進行する中、資本関係にとらわれない小売業間の“勉強会”は、姿を消していった。

 と考えていたところに、阪食(大阪府/千野和利社長)-ハローデイ(福岡県/加治敬通社長)―サンシャインチェーン本部(高知県/川崎博道社長)が“勉強会”を開いて切磋琢磨しているという情報を耳にした。

 どの企業も低価格訴求一辺倒とは一線を画した商品政策で好業績を残している。3社とも、先達のない道なき道を行くだけに、持ちうる知恵を結集させたいという思惑があるのだろう。

 そして、こうした取り組みをみるとなぜかホッとさせられる。

 (『チェーンストアエイジ』誌2010年12月1日号)