実践!流通英会話15 “What’s for dinner” idea の意味、わかりますか?

太田 美和子
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海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第15回は「ショーケース」と呼ぶこの店の目玉売場を舞台に、手を変え品を変え、納得するまで質問するやりかたを学んでいきましょう(これまでの全スキットはこちら

photo by sittipong_srikanya, iStock
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今回のシーンと登場人物

やまだスーパーマーケットの山田信彦社長は、ディスカウンターとの競合対策を学ぶために、コーディネーターの大森剛と共に、ダンデライオン・マーケットを訪問した。2人は、レイノルズ取締役と共に商圏内を巡った後、旗艦店に到着。ストーン店長の案内で青果売場、鮮魚売場、精肉売場を視察。そして、店の目玉となっているコーナーに向かう。

 

登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長

難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し

 

今週の英会話

ストーン:Let’s go to next section; which is the highlight of this store.
次の売場に移りましょう。その売場がこの店の目玉なのです。

山田:I’m very excited.  (初級)
楽しみです。

ストーン:This space is called the“Showcase”. We pick one or two items each week; and our staff members use this space to explain features of the product, show customers how to cook, and give useful ideas for meal preparation.
このスペースを「ショーケース」と呼んでいます。毎週、1、2品目を選びます。そして、当社のスタッフが、その品物の特徴を説明し、調理方法を紹介し、食事の準備に役立つアイデアを提供します。

山田:I see. What’s the purpose of the Showcase? (中級)
なるほど。この「ショーケース」の目的は何ですか。

レイノルズ:It is not to give the customers “What’s for dinner” ideas.
ここは、お客さまに「今晩の夕食は何?」のアイデアを提供する場所ではありません。

山田:What do you mean?
どういう意味ですか。

レイノルズ:This is a place to introduce the customers to unfamiliar products.
ここは、お客さまにとって見知らぬ商品を紹介するための場所なのです。

 

解説

今回、山田社長は、突っ込んだ質問を繰り返しています。説明につい てのわからない点、明確にしたい点は、その場で解決したいもの。そ のために役立つ疑問文をご紹介します。そのひとつが、前回ご紹介 した What do you mean by~? を簡略化した What do you mean? です。前回は用語の意味がわからない場合でしたので、by の後にその用語を持ってきて、特定の言葉の意味を訊ねました。今 回はセンテンス全体の意味がわかりません。その場合は、byの後に センテンス全体を持ってくるのではなく、What do you mean? だ けで「(今おっしゃったのは)どういう意味ですか?」となります。そし て、もうひとつは What’s the purpose of~? です。今回は、山田 社長の発言に着目してください。

 

このセンテンスを覚えよう!

I’m very excited. : excite は、「興奮させる」という意味がよく知 られていますが、「(関心・興味を)起こさせる」という意味もあります。 ですので、I’m very excited は、「とても関心を寄せています」「と ても興味がわいています」という意味です。このような感情表現を、 時間を割いて説明してくれている相手はきっと好意的に受け取ってく れるはずです。
What’s the purpose of~? : 「~の目的は何ですか」。これまで にも What’s で始まる疑問文をいくつかご紹介しました。恐らく店内 視察では、What’s で始まる質問を最も頻繁にすると思います。理由 を訊くときの What’s the reason for~? や目的を訊ねるときの What’s the purpose of~? は、状況を分析するタイプの視察には 欠かせません。

 

KEYWORD 専門的な用語

What’s for dinner : 「今晩の夕食は何?」。よく子どもがお母さん に発する言葉です。お母さん(とは限りませんが)が頭を悩ます献立 の問題を解決するスーパーマーケットの取り組みにおいて、店内で お客さまに投げかけるフレーズとしてこの言葉がそのまま使われて いるのをよく見かけます。たとえば、店内に「What’s for dinner ?」 のバナーを掲げ、そのバナーの下に献立問題を解決する商品を揃え るというように。もうすっかり業界用語です。

KEYWORD 一般的な用語

product : 生産された品物。このスキットでは広義に、農産物や加 工食品、日用品なども指しています。product の中でもとくに農産物 を produce(以前、Produce Department でご紹介しました)とし て区別する場合があります。
unfamiliar : 「おなじみの」「よく知っている」という意味の familiarの反対で、「よく知らない」「珍しい」という意味。

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