実践!流通英会話11
「以前より大きな需要がある」を英語で言えますか?

太田 美和子
Pocket

海外店舗を視察に行っても質問ができない。視察先の担当者とあいさつができずにモジモジしてしまう。そんなアナタに“流通英語”の基本を教えます!第11回は「以前より大きな需要がある」鮮魚売場が舞台。色んな質問の仕方を今回のスキットで勉強していきましょう。

 

今回のシーンと登場人物

ディスカウンターとの競争に苦悩するやまだスーパーマーケットの山田信彦社長 は、ダンデライオン・マーケットのウォルマート対策を学ぶために、コーディネーター の大森剛と共に、同社を訪問した。2人は、レイノルズ取締役と共に商圏内を巡った 後、旗艦店に到着。ストーン店長の案内で青果売場を視察した。続いて鮮魚売場を視察する。

登場人物
山田信彦 : やまだスーパーマーケット社長
トム・レイノルズ : ダンデライオン・マーケット取締役マーケティング部長
大森剛 : コーディネーター
ケン・ストーン: ダンデライオン・マーケット旗艦店店長

難易度(各英語センテンスに表記されています)
初級 : あいさつなど基本的な言い回し
中級 : よく使うので覚えておきたい言い回し
上級 : さらに突っ込んだ会話ができる言い回し

 

今週の英会話~競合店の詳細~

ストーン:Next is the seafood department. Like many other supermarkets, we used to sell seafood at the meat department, but this is our first store where they have been separated.
次は鮮魚売場です。他の多くのスーパーマーケットと同様、当社も精肉売場で 魚介類を販売していましたが、この店が精肉と鮮魚を分けた最初の店です

山田:Why did you make a seafood department?
なぜ鮮魚部門をつくったのですか。

レイノルズ:There are mainly two reasons. First, we wanted to beat Wal-Mart in fresh foods including seafood. We believed fresh foods was Wal-Mart’s weak point.
主に2つの理由があります。第一に、鮮魚を含めた生鮮食品でウォルマートを凌駕し たかったからです。生鮮食品が彼らの弱点であると確信していました。

山田:What is the second reason? (初級) 
2つめの理由は何ですか。

レイノルズ:The second reason is that there is a greater demand for (初級) seafood in our country. Even in Ohio where there are no oceans nearby, people are becoming more interested in eating seafood as part of a healthy diet.
2つめの理由は、われわれの国では魚介類は以前より大きな需要があるからです。 海に接していないオハイオ州でさえ、人々は健康的な食事の一環として 魚介類を食べることに興味を持ち始めています。

 

解説

山田社長たちは青果売場から鮮魚売場へ移動しました。さて、アメリカに は、鮮魚部門が存在しないスーパーマーケットが多々あります。食用肉は すべて「肉(Meat)」として、精肉売場で取り扱う場合が大半です。以下に アメリカのスーパーマーケットの部門別売上構成比を示しました。ご覧のと おり、魚介類は他の肉と同類で扱われています。ですので、視察に行った 店舗の売場案内看板を見ても鮮魚売場が見当たらない場合には、精肉売 場をチェックしてください。ただし、最近では、鮮魚部門を別に設けるスー パーマーケットも増えています。

 

このセンテンスを覚えよう!

What is the second reason?:「理由は2つあります」などと言って から説明することはよくあります。とくに欧米人の会話にはよく登場しま す。その場合に、「次の理由は?」と促すときなどに便利です。もちろん、第 3番目の理由ならばthe third reason、第4番目ならばthe fourth reason となります。また、単に「その理由は何ですか?」と聞く場合にも、Scene 9 でご紹介した”Why is that?”以外に、”What is the reason?”と言うこと もできます。

There is ~:このスキットにはThere is~という構文が2回登場します。 「~がある(存在する)」と、存在を示すときに使います。demandは「ディマ ンド」。日本でもよく使われる言葉です。要求や需要を意味します。この語 の後にforを付けて、何に対する需要かを表します。There is no demand

for~といえば、~に対する需要がまったくないことを意味します。

 

KEYWORD 業界用語

percentage of produce sales:青果部門の売上構成比のこと。他 部門の売上構成比を示す場合にはproduceのところを違う部門に置き変 えればOKです。

 

KEYWORD 業界用語

seafood department:鮮魚部門、もしくは鮮魚売場のこと。店内の売 場案内には単にSeafoodと書かれていることが多いです。また、同じ英語 圏でもイギリスでは、売場案内にFishmonge(r 鮮魚店)と書いてあるのを よく見かけます。

fresh foods:「生鮮食料品」と考えがちですが、若干意味が異なりま す。缶詰・乾燥・燻製・冷凍などの保存用の加工を行っていない食品を指しま す。スーパーマーケット業界でfresh foodsといった場合には、生鮮3品だ けでなく、総菜やベーカリー、乳製品、そしてなぜか生花も含みます。また、 部門を大きく括る場合にperishablesという言葉もよく使われます。 perishableは直訳すると「腐りやすい(食品)」の意。上記のfresh foods に属する部門に加え、冷凍食品も含めて、perishablesと言うことが多い です。なお、スキットではfresh foods was~となっていて不思議に思われ たかも知れません。fresh foodsは複数形の主語ですが、集合名詞とみな し、isやwasを伴う単数形扱いになっています。

 

KEYWORD 一般的な用語

weak point:「弱点」。weakの反対語はstrongです。strong pointとは 「長所」の意味です。

diet:日本語でダイエットとは「減量するために食事制限・食事療法をする こと」ですが、英語のdietは、「日常の食事」という意味で使われることが 多いです。このスキットのhealthy dietは健康的な食事のこと。非常によく 使われる言葉です。

関連記事ランキング

関連キーワードの記事を探す

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態