フィンランドには、「Kグループ(シティマーケット、Kスーパーマーケット、Kマート)」と「Sグループ(Sマーケット、プリズマ、アレパなど)」の大手2社があり、それぞれ大小規模のチェーンスーパーマーケットを展開しています。今回は、Kグループよりヘルシンキ市内の住宅街にあるKスーパーマーケットを紹介します。
フィンランドで人気のKスーパーマーケット
国内店舗数は、244店舗あり、店舗毎にオーナーがビジネスアイデアを出し、その店舗ならではの地域密着サービスを提供しています。この店の月間売上は、130万ユーロ(約1.6億円)ほどです(2019年4月現在)。なお、おもな来客層は、家族連れが40%、年配の方が30%、その他が30%とのこと。生鮮食品の品揃えに強みがあり、質の良い商品を取り揃えていると評判です。また、高級過ぎず、ディスカウントでもない中間層向けで、フィンランドの一般家庭には欠かせない存在です。さらに、Kオリジナルブランドである「Pirkka(ピルッカ)」は、安価で品質がよいと好評です。
人気商品は、鮮魚コーナーのサーモン(フィンランド産あるいは、ノルウェー産)とスモークサーモンです。魚は必要分だけその場で切り、量り売りしてくれます。すでにパック詰めされたものより、鮮魚コーナーでの購入者がダントツに多いのだとか。その他、野菜ではフィンランド産のキュウリやトマトも人気です。
店内では、乳製品の多さにも目を引くことでしょう。広々とした売場の棚では、ぎっしりと詰まった乳製品の横に、常温のミルク製品もたくさん陳列されています。麦、ココナッツ、ヘーゼルナッツ、豆乳、アーモンドミルクなどがあり、長期間の常温保存が可能なことと、ヘルシーさがウケて、一般家庭でよく使われています。
フィンランドのベジタリアンミート「ハーキス」
近年、ヘルシー志向で人気なのが「ベジタリアン・ビーガン食」です。日本にも上陸したフィンランド産のそら豆を使用したベジタリアンミート「Harkis(ハーキス)」は、特に注目されています。ベジタリアンではない方にも肉の代わりとしてよく食べられているようです。
調理方法は、野菜と一緒に炒めたり、ベジ(ミート)ソースとしてパスタにかけたりとさまざまなアレンジが効くようです。「Harkis(ハーキス)」は、「肉食を減らせ」運動が活発化しているフィンランドで注目を集めている商品なのです。
ところで、寒い冬が長いフィンランドでは、北国ならではの問題があります。冬の間は、新鮮な野菜や果物が入荷しにくくなるということです。もちろん、南ヨーロッパのイタリアやスペインなどから野菜や果物などが輸入されてきますが、店頭に並ぶ頃にはクタクタになっていることも少なくありません。このため、フィンランドのスーパーでは、冷凍野菜の品揃えが充実しているのが特長のひとつかもしれません。無添加で、切ったそのままに野菜が冷凍されていますので、調理時間も短くて済みます。共働きの多いフィンランドの社会では、料理に時間をかけない家庭が多いため、冷凍野菜は重宝されているのです。
また、Kスーパーマーケットでは、店舗の催事エリアで季節ごとにイベントが開催されます。イースターやメーデー(ヴァップ・VAPPU)、クリスマス、バレンタイン・デーなどの季節の行事に合わせて、チョコレートや菓子が並びます。
最後に、日本の観光客の皆さんへのおススメ商品を紹介しましょう。
フィンランドといえば、「マリメッコ」ですね。そのマリメッコの紙ナプキンは、土産としておススメです。かさばらずに軽いこと、3ユーロ程度と安価なのもうれしいところです。かわいらしいデザインで、喜ばれることでしょう。充実の品揃えのため、土産選びが楽しくなるかも。
いかがでしたか。フィンランド・ヘルシンキに着たらKスーパーマーケットをのぞいて見て下さい。フィンランドのお気に入りが見つかることでしょう。