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米民泊エアビー、独自番組制作へ 顧客獲得やブランド確立狙い

4月24日、米民泊仲介大手のエアビーアンドビーは、旅行に対する利用者の関心を盛り上げるための独自の番組制作に乗り出す。事情に詳しい関係者4人が、ロイターに明らかにした。写真は米カリフォルニア州の同社本社で2016年撮影(2019年 ロイター/Gabrielle Lurie)

[サンフランシスコ 24日 ロイター] – 米民泊仲介大手のエアビーアンドビーは、旅行に対する利用者の関心を盛り上げるための独自の番組制作に乗り出す。事情に詳しい関係者4人が、ロイターに明らかにした。

うち3人によると、ブライアン・チェスキー最高経営責任者(CEO)が、エアビーのブランド確立には独自番組制作が重要だと主張し、計画を主導している。関係者は「チェスキー氏はスタジオを立ち上げたいと考えている。すべて旅行と関連付けるため、番組や映画を作ろうということだ」と述べ、別の関係者は「チェスキー氏は派手なことが好きだ」と語った。

エアビーは来年の新規株式公開(IPO)を目指しており、ブッキング・ドット・コムやエクスペディアといったオンライン旅行代理店との差別化を迫られている。

エアビーは少なくとも過去3年間、旅行に関するドキュメンタリーやミニ番組、エアビーの施設や顧客、ホストを紹介する番組の制作などを検討していた。番組制作を手掛けるスタジオとの連携や、独自のスタジオ設立も議論したという。

先週には、サンフランシスコで同性愛の男性コーラスグループを追ったドキュメンタリーフィルムを作った、と発表。ロイターに対し、資金を提供したと明らかにしていた。エアビーの制作コミュニケーション幹部は、自前のアプリなどを使い映画やショー製作を検討していると明らかにした上で、「より多くのコンテンツを作れば、より多くの顧客を引き寄せることができる」と強調した。

独自番組では、顧客が休暇の行き先を決める前に旅行気分を盛り上げたり、なじみのあるホテルチェーンばかり利用する旅行者にエアビーを理解してもらうことを目指す。

ただ、実現には具体的なスケジュールや資金の手当て、番組の種類など決定事項が山積みだ。

シリコンバレーのIT企業の間では、インターネット利用者との深い結びつきや利用者のデータ獲得を目指し、独自のコンテンツを提供する動きが拡大している。