アマゾン台頭の影響を受け業績を落とした企業が市場撤退を余儀なくされるという現象だ。トイザらスやフットロッカーなど、「アマゾンエフェクト」銘柄企業や候補企業は枚挙に暇がないほど多い。
けれども、最近思うのは、その倒産理由は本当に「アマゾンエフェクト」によるものなのか、ということである。
不振を自助努力で打開しようとせず、倒産した理由をネット企業の台頭に求めてはいないか?
それというのも、今回特集したウォルマートは疾風迅雷ともいうべきIT武装化によって業績を回復させているからだ。
社会や顧客や市場は常に変化している。だからこれに対応して、自らが変化や進化を遂げなければ、いつの時代も生き残れない。そんなことは誰もが分かっているはずだ。
では、トイザらスは、どうだったか? 理由はどうあれ、20年前と直近の売場にとてつもないほどの大差はなかったような気がする。
逆に、生き残りさえすれば、倒産企業の売上は、残存プレイヤーによって山分けされ、シェアは拡大することになる。プレイヤー数の減少は、残存者の成長につながるのである。
だからこそ、不振や不調を「アマゾンエフェクト」のせいにする前に、自社のできることをお客様の立場に立ってやり尽くしているのか考え直してみたい。
『流通テクノロジー』誌2018年12月号編集後記