ジュピターショップチャンネル 代表取締役社長 篠原 淳史
商品力・番組力・オペレーション力、三位一体の底上げで成長する

2016/11/01 17:00
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テレビ通販国内最大手のジュピターショップチャンネル(東京都)が好業績を続けている。2015年度(16年3月期)業績は売上高1395億円(対前年度比2.2%増)、営業利益243億円(同9.0%増)と増収増益を果たした。創業20周年を迎える16年度も業績は好調に推移する。同社はどのような成長戦略を描くのか。篠原淳史社長に聞いた。

聞き手=下田健司(本誌)構成=小池晃臣(タマク)


女性顧客から支持、20期連続の増収へ

ジュピターショップチャンネル 代表取締役社長 篠原 淳史 しのはら・あつし●1959年生まれ。愛媛県出身。81年一橋大学法学部卒業、住友商事入社。2004年10月ダイレクトマーケティング部長。05年4月ファッションアパレル事業部長。07年4月ファッション・ブランド事業部長。07年8月ジュピターショップチャンネル代表取締役社長。10年4月住友商事理事。13年4月同社執行役員(現任)

──創業以来、2015年度まで増収を続けています。

 

篠原 15年度の売上高は対前年度比2.2%増の1395億円となり、1996年11月の設立以来、19期連続での増収を達成しました。

 

 15年度は、新規顧客向けと既存顧客向けの特別番組をバランスよく編成することで、幅広いお客さまからの支持を得ることができたのが増収要因の1つです。トピックとしては、開局19周年を迎えた15年11月1日に、1日の売上高が14億円を超え、過去最高記録を更新しました。12月には家電商品のみを24時間販売する特別番組「オールスター家電祭2015」を放送し、併せて全国紙2紙の朝刊で広告を打ったことも大きな売上効果がありました。

 

 また、15年4月から不定期で放送していたインターネットサイトのみで視聴可能な生放送番組「ネットライブ」を、11月5日から毎日深夜0時から原則1時間の生放送へと本格展開しています。インターネットサイトの利便性と機能を向上させ、時間・場所・デバイスを問わずお客さまが「ショップチャンネル」での買物を楽しんでいただける環境を整え、お客さまとの接点拡大を図りました。

 

 海外事業も堅調でした。13年11月にタイで放送を開始したショップ・グローバル・タイランドの経営を強化した結果、売上高、顧客数ともに順調に拡大しました。タイでは、信頼できるローカルパートナー2社と組んでいます。I.C.C. International Public Company(同国内流通大手サハグループ)とCentral Department Store(同国内小売最大手セントラルグループ)です。ショップ・グローバル・タイランドはこの2社とショップチャンネル、住友商事グループが出資しています。14年1月からは視聴可能世帯数が約1500万世帯となり、タイ全世帯数のおよそ7割にリーチすることが可能になるなど追い風が吹いており、タイのテレビショッピング市場におけるリーディングカンパニーの地位を確立しつつあります。

 

──16年度の重点施策は何ですか。

 

篠原 15年度は、12年度からスタートした新中期経営計画(5ヵ年計画)のもと、4つの重点施策「さらなる商品力・番組力・オペレーション力の強化による収益基盤の拡充」「顧客基盤の維持・拡大」「インターネット販売の強化・拡大」「海外市場への新規事業展開」に取り組んできました。16年度も引き続き、この重点施策に取り組んでいます。

 

 創業20周年となる16年度も売上は順調に推移しています。今年4月21日には、掃除機「ダイソン」の1日の販売金額が約7.9億円となり、1日当たり1商品での販売額の過去最高記録を約8年ぶりに更新できました。20期連続の増収も達成できると見ています。

 

──ショップチャンネルの主要顧客層を教えてください。

 

篠原 16年3月末時点で、ショップチャンネルはケーブルテレビや衛星放送などを通じて、全国2914万世帯で視聴が可能です。お客さまの約90%が女性で、年齢では50歳以上のお客さまが半数以上を占めています。

 

 年齢5分布で見ると、60代が最も多く34%、続いて50代が27%、40代が15%、70代以上が19%です。高感度の女性のお客さまがショップチャンネルを支えてくださっていますので、そうしたお客さまの期待に応えていくことで、成長を持続していきたいと考えています。

 

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