エブリイ 代表取締役社長 岡﨑浩樹
19年6月期に売上高1000億円めざす「働きがいある企業風土育てたい」

2016/02/26 00:00
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ユニークな人事政策

 

人材育成プログラムの「人間塾」は、月1回、本部研修室で開いている。店長やバイヤー、チーフなど多様なポジション、役職者が集まる

──鮮度を追求するSMのフォーマットもさることながら、独自の教育にも力を入れているのも御社のユニークな点です。

岡﨑 当社では、ヒトを「オランウータン」「ゴリラ」「チンパンジー」「ボノボ」という4タイプの類人猿に分類し、それぞれの長所や行動パターンなどの特徴を知ったうえで、職場での人間関係に生かす「類人猿セミナー」、また、幹部向けのコミュニケーション講座「人間塾」という独自の人材研修を行っています。

 人間塾のプログラムは本部研修室において月1回の頻度で開き、全8回で修了するコース。参加するのは店舗部長、商品部長のほか、店長、バイヤー、チーフといったメンバーで、毎回、約20人単位で行います。13年から企業の研修に取り入れました。

────職場での人間関係に生かすというのは、具体的にはどのようなことですか。

岡﨑 たとえば、あるレジ統括のチーフはプログラムを受講後、部下への指示の仕方を工夫しているそうです。効率化を考える時には「オランウータン」タイプの人へ、仕事の最終チェックには、用意周到で慎重な「ゴリラ」タイプの人へといった具合です。

 

エブリイホーミイホールディングスにはSMのほか、外食、夕食材料宅配など多様なグループ企業がある。定期的に各企業の担当者が集まって「グループ商品会議」を開く。原材料や加工ノウハウを共有することで、グループ全体の収益力向上をねらっている

 

──人のいい面に着目した仕事のやり方をしているのですね。

岡﨑 そうです。仕事の効率が上がったほか、離職率も低水準で推移しています。昨春、当社に入社した新卒者は54人でしたが、このうち退職したのは、海外留学する目的の1人のみ。離職率が高いといわれるSM企業としては、誇れる数字です。また毎年、多くのパートタイマーが新たに入ってきますが、全体の30%は既存従業員からの紹介。全国的に人材確保難といわれますが、当社にとってはそれほど深刻な問題にはなっていません。


──教育、従業員の管理法が好業績にもつながっている

岡﨑 人材教育プログラムを取り入れたのと、業績が上向いた時期は重なっており、そう言ってもいいと思います。

────さて、19年6月期に売上高を1000億円に拡大するのを視野に、多数の新規採用も予定していると聞きます。やはり人材教育は大きなテーマになりそうですね。

岡﨑 今春には120人の新卒者が入社する見込みで、人材をいかに育てるかは戦略上、重要なテーマです。今年4月をめどに、広島県福山市に人材研修センターを新設する計画で、成長戦略を支えるインフラとして活用していきます。

 今後、当社の事業規模は拡大していきます。これに対し、私の抱負としては従業員が仕事のやりがいを感じてもらえる職場環境づくりに力を入れ、ヒト、組織のポテンシャルを最大限に引き出す経営に取り組んでいきたいと考えています。

グループ企業と協業推進

 

──今後、積極的に事業規模を拡大する手段として、M&A(合併・買収)を選択する可能性はありますか。

岡﨑 まったくないわけではありませんが、規模拡大を目的とするM&Aは今のところ考えていません。ただ食に対し、SM、飲食店、お弁当店といったように多くの販路、チャネルを持っているのが、当社グループの特徴であり、強みだと考えています。そのなか従来にないスタイルの飲食店と手を結ぶことは考えられます。また「六次産業化」を掲げていますので、食品関連の工場が入ってくることは十分あり得るでしょう。

──グループには、それぞれ独自のビジネスを展開する多様な企業がありますが、それらとSMとのコラボレーションも考えられます。

岡﨑 今、準備を進めているのは、事業者向けのお弁当の宅配を手掛けるグループ企業との協業です。昨秋、5000万円を投資してSMの総菜を製造できる体制を整えました。当社向けの、煮炊きした総菜を製造、各店へ供給してもらうのです。工場では毎日、5000食の弁当をつくっていますが、今後は原材料の調達はSMと協力することで質を上げる一方、原価率を下げる取り組みも行います。このようにグループ各社で、収益を上げる手法を磨いていく方針です。

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