キーテナントとは?キーテナントがあるとショッピングセンター自体が盛り上がる?メリット・デメリットを紹介!

読み方:きーてなんと
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キーテナントとは

キーテナントとは、ショッピングセンター(SC)などの商業施設の集客力を担う、施設の中核となる店舗である。その店舗の吸引力によって施設全体がにぎわい、他の店舗の顧客も増加する。

キーテナントイメージ
複合商業施設の開発ではどのようなキーテナントを誘致するかが成功のカギを握ると言っても過言ではない。

キーテナントは、アンカーストアあるいはマグネットストアともいう。英語では「引き寄せる店」という意味でドロー・テナント(draw tenant)と呼ばれる。

キーテナントは、商圏の大きさや客層を決定する大きな影響力を持つ。一般的にキーテナントになるのは百貨店、総合スーパー、ホームセンターなどの大型店だ。複合商業施設の開発ではどのようなキーテナントを誘致するかが成功のカギを握ると言っても過言ではない。また、商業施設によっては明確なキーテナントが存在しないものもある。地下街や駅ナカ、ファッションビルなどがそれだ。

キーテナントのメリット

メリットのイメージ
吸引力があるキーテナントが存在するメリットはSCの商圏を拡大し、他のテナントの来客数も伸ばすことができる。

吸引力があるキーテナントが存在するメリットはSCの商圏を拡大し、他のテナントの来客数も伸ばすことができる。

キーテナントにとっても、業種の違うテナントがあるのはメリットだ。たとえば、大型家電店の周囲にカフェやレストランがあれば来店を促進する要因になる。買物が「用事」だけでなく「娯楽」にもなるからだ。

キーテナントのデメリット

SCにとってのキーテナントのデメリットは、SC全体の栄枯盛衰がキーテナントの顧客吸引力にゆだねられることだ。キーテナントがトレンドをつかめなくなったときはもちろん、何らかの理由で顧客の好感度が低下してもSC全体の活気が失われることになりかねない。

また、ネットショッピングが普及した現在は、品揃えや商品力だけでは、店舗に「足を運ばせる」のに十分ではない。キーテナントにネットショッピングでは味わえない顧客体験を提供する接客力がないと、吸引力を維持することができない時代になった。キーテナント以外の店舗も含めたSC全体に、ネットとリアルを相乗させる、利便性とエンターテインメント性が求められているのだ。

さらに、最近は「SCにはキーテナントが必須だ」という常識を見直して、キーテナントに頼らないSCのあり方を模索する動きもある。

キーテナントの実例

キーテナントが、相乗効果が期待できる他のテナントを誘致して成功した例をご紹介しよう。

福岡県福岡市天神の「天神ロフトビル」は生活雑貨の「ロフト」をキーテナントとする商業ビルだ。地下1階・地上8階のビルの2~6階がロフトの売り場になっている。同ビルは、地下フロアにロフトのイメージにマッチしないテナントが入っており、空き区画も目立っていたことで対策に苦慮していた。

そこで誘致のポリシーを「アウトドア」「スポーツ」「ファッション」に絞り、200坪の広さで展開できるテナントを探した。その結果、福岡に大型店舗がないスポーツサイクルに着目して、日本最大級のスポーツサイクル専門店「Y’s Road」と交渉し、九州初出店となる誘致に成功した。

この誘致によって天神ロフトビルは、これまで同ビルに足を運んだことのない客層を獲得し、ビル全体の来客や売上に貢献した。

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