5月の米消費者物価、2.4%上昇=予想下回る、4カ月ぶり拡大

【ワシントン時事】米労働省が11日発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.4%上昇した。伸び率は前月(2.3%)から、4カ月ぶりに小幅拡大したものの、市場予想(2.5%)は下回った。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前年同月比2.8%上昇と、伸び率は3カ月連続で同水準だった。連邦準備制度理事会(FRB)はトランプ政権の高関税政策によるインフレ再燃リスクを警戒しており、当面政策金利を現行の引き締め的な水準で維持するとみられる。
項目別では、ガソリンが12.0%の大幅低下。一方、中古車は1.8%、サービス価格(エネルギー関連を除く)は3.6%、それぞれ上昇した。
トランプ大統領は1月の就任以降、ほぼすべての貿易相手国・地域に対する一律10%の相互関税に加え、鉄鋼・アルミニウムや自動車輸入への関税を次々と発動した。FRBは「高関税の影響は今後数カ月、インフレを押し上げる」(高官)と予想。来週17、18両日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、4会合連続で金利据え置きを決めるとの見方が市場では大勢を占める。
◇5月の米CPI概要
消費者物価指数 0.1(前年同月比2.4)
コア指数 0.1(前年同月比2.8)
エネルギー ▲1.0
燃料油 0.9
ガソリン ▲2.6
衣料 ▲0.4
新車 ▲0.3
中古車 ▲0.5
帰属家賃 0.3
航空運賃 ▲2.7
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前