米物価、2.1%上昇=7カ月ぶり低水準―4月

【ワシントン時事】米商務省が30日発表した4月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.1%上昇だった。伸び率は前月(2.3%)を下回り、2カ月連続で鈍化。昨年9月以来7カ月ぶりの低さだった。市場予想(2.2%上昇)も下回った。
価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の上昇率は2.5%と、前月(2.7%)から減速。足元でインフレは落ち着きつつあるものの、連邦準備制度理事会(FRB)はトランプ政権の高関税政策が、輸入品の値上がりなどを通じて物価上昇をもたらす可能性があると警戒している。
モノの価格が0.4%下がり、全体の伸びを抑制した。人件費の影響が大きいサービス価格は3.3%上昇と、伸びは2カ月連続で鈍化した。
FRBは5月の金融政策会合で、3会合連続で政策金利の据え置きを決めた。トランプ関税を巡る不透明感が強い中、パウエルFRB議長は「様子を見守る良い位置にある」と、経済情勢の見極めを重視し、利下げに慎重な考えを示している。