同意なき買収、成長で回避=セブン&アイのデイカス次期社長

セブン&アイ・ホールディングスの社長に来月就任するスティーブン・ヘイズ・デイカス氏は25日までに報道各社のインタビューに応じた。相手先の賛同を得ない「同意なき買収」が国内で相次ぐ中、デイカス氏は「売り上げや利益が成長できなければ次々と買収提案が来る」と指摘。「会社を継続的に成長させればターゲットにはならない」と述べ、事業拡大の重要性を強調した。
同社はカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けている。クシュタールに対しては統合した場合に生じる問題点などを伝え、現在も協議が継続中。その一方、非中核事業の切り離しなど、単独での企業価値向上に向けた施策も次々と打ち出し始めている。
デイカス氏は、自社の各国の事業には強みがあるとしながらも、それを他国で生かし切れておらず、「チャンスを失っている」と指摘。「スピードを上げ、(他社と)差別化できる商品を提供していく」と意気込んだ。
セブン&アイは社内人事を大幅刷新する予定で、会長に創業家出身の伊藤順朗副社長が就くほか、傘下のコンビニ大手セブン―イレブン・ジャパンの社長も交代する。デイカス氏は「会社を強化するには、(創業家出身で)会社のことをよく分かっている順朗さんのサポートが絶対欲しい。私の役割は特にコンビニについて責任を持って統括することだ」と語った。