日本テトラパック、学校給食用牛乳の環境負荷低減へ 「テトラ・ブリック®」の採用メーカーが19社に拡大

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植物由来ポリエチレンを使用した新包材の学校給食用紙容器『テトラ・ブリック®』(左上から:協同乳業株式会社、フクロイ乳業株式会社、美濃酪農農業協同組合連合会(2種)、雪印メグミルク株式会社(2種)、(50音順))
植物由来ポリエチレンを使用した新包材の学校給食用紙容器『テトラ・ブリック®』(左上から:協同乳業株式会社、フクロイ乳業株式会社、美濃酪農農業協同組合連合会(2種)、雪印メグミルク株式会社(2種)、(50音順)画像:日本テトラパック ニュースリリースより

 食品の加工処理機器および紙容器の充填包装システムを手がける日本テトラパック(東京都)は4月24日、学校給食用牛乳パック「テトラ・ブリック®」のコーティングに植物由来ポリエチレンを使用した新包材の採用メーカーが計19社に拡大したと発表した。

 今回新たに採用したのは、協同乳業(2025年4月より)、フクロイ乳業(2025年1月より)、美濃酪農農業協同組合連合会(2025年4月より)、雪印メグミルク(2024年12月より)の4社。

 同社が提供する「テトラ・ブリック®」は、サトウキビ由来の植物由来ポリエチレンを使用し、再生可能資源の比率を従来の77%から99%に高めている。これにより、紙容器のバリューチェーン全体で約50%のCO₂排出量削減※1を実現している。

 採用メーカーの拡大により、日本テトラパックが提供する全国の学校給食用紙容器のうち、9割が新包材に切り替わる見込みであり、年間で約1,100トン※2の化石由来プラスチック削減が期待される。2023年の導入開始からの累計では、6,900トンのCO₂排出削減につながる見通しである。さらに、Bonsucro認証※3を取得した植物由来プラスチックを使用することで、SDGsの7つの目標達成にも貢献する。

 同社は、環境負荷の少ない包材の提供に加え、環境教育の支援にも力を入れている。2024年7月には、小学6年生向け環境教育教材「地球環境のためにできること~ある牛乳パックのひみつ~」が文部科学省の学校用教材に選定された。教材は全国700校に先着で無償提供されているほか、特設サイト「紙パックとリサイクル、環境について学ぼう!」のコンテンツ拡充や、新包材導入校での出前授業などを通じて、教育現場での取り組みも進めている。

 日本テトラパックは、今後も乳業メーカーとの連携を深め、学校給食現場における環境負荷の低い選択肢の普及を推進する方針である。

※1:Carbon Trustによって認証されたカーボンフットプリントをもとに、欧州を除く世界平均にて算出(2025年時点)。認証プロセスでは紙容器のライフサイクル全体を評価するが、紙容器の中身およびストローは含まれていない。包材、副資材の仕様により削減数値に多少の差異あり。
※2:テトラパックの学校給食用「テトラ・ブリック®」紙容器の包材をすべて植物由来ポリエチレンに変更した場合の想定値(当社調べ)。
※3:2008年に設立された世界的なNPO団体(本部:イギリス)であるBonsucroが運営する、持続可能なサトウキビの生産、製造、流通を目指す認証制度。食品・飲料向け容器としては、テトラパックが世界で初めて認証を取得。

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