モノの米貿易赤字、過去最大=輸入拡大、駆け込みも―24年

【ワシントン時事】5日発表された2024年の米貿易統計によると、モノの取引の貿易赤字(国際収支ベース、季節調整済み)が前年比14.0%増の1兆2117億ドル(約185兆円)と、過去最大に膨らんだ。世界的な景気減速で輸出が伸び悩んだ一方、輸入が大きく増加した。高関税政策を掲げるトランプ米政権発足前の「駆け込み」で、12月に輸入が大きく増えた。
トランプ大統領は、貿易赤字を「米国の損失」と問題視。全輸入品への一律関税導入や2国間交渉を通じて是正していく考えを示している。
貿易赤字を国・地域別(通関ベース、季節調整前)で見ると、最も大きいのは中国で、2954億ドルと前年から拡大。日本は685億ドルと7位で、前年から縮小した。
輸出は、民間航空機用エンジンや半導体などが伸びたが、天然ガスや自動車関連が減り、全体では小幅な伸びにとどまった。一方、輸入は堅調な米景気に支えられ、原油や金属製品、コンピューターなどが増えた。
旅行などのサービスも含めた貿易赤字は17.0%増の9184億ドルと、22年に次ぐ過去2番目の大きさだった。