米物価、2.3%上昇に加速=インフレ鈍化足踏み―10月
【ワシントン時事】米商務省が27日発表した10月の米個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2.3%上昇した。伸びは市場予想と同じで、前月(2.1%)から拡大。3カ月ぶりに加速した。底堅い景気が続く中、インフレ鈍化のペースダウンがうかがわれる内容となった。
価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数の上昇率は2.8%と、伸びは前月(2.7%)を上回った。
項目別では、耐久財などモノの価格は前年同月比1.0%低下。一方、人件費の影響が大きいサービス価格は3.9%上昇した。
連邦準備制度理事会(FRB)は今月の金融政策会合で、インフレの継続的な鈍化を踏まえて2会合連続の利下げを決定。強い経済と雇用情勢の維持に努める方針を示した。
パウエルFRB議長は、政策金利の引き下げは緩やかなペースで続けるものの、「急ぐ必要はない」と明言。経済情勢を見極めて12月半ばの次回会合で追加利下げの是非を判断する考えだ。
10月の個人消費支出は前月比0.4%増と、伸び率は前月(0.6%)から縮小した。
◇米PCE物価指数
9月 10月
PCE 前月比 0.2 0.2
前年同月比 2.1 2.3
PCEコア 前月比 0.3 0.3
前年同月比 2.7 2.8
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.3 0.6
可処分所得 前月比 0.3 0.7
個人消費 前月比 0.6 0.4
モノ 前月比 1.0 0.0
耐久財 前月比 1.5 0.3
非耐久財 前月比 0.8 ▲0.2
サービス 前月比 0.5 0.5
貯蓄率 4.1 4.4
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少