【北京時事】中国税関総署が18日発表した貿易統計の月報によると、2023年の日本産魚介類の輸入額は前年比40.9%減の2億9949万ドル(約443億円)だった。中国は同年8月から日本産水産物の全面禁輸に踏み切っており、その影響が表れた。
中国政府は東京電力福島第1原発から生じた処理水を「核汚染水」と呼び、海洋放出に激しく反発。23年以降、日本産水産物に対する実質的な輸入制限を段階的に強め、8月下旬には全面禁輸措置を発動し、対日圧力を強めた。
この影響で9月の日本産魚介類の輸入額はゼロになった。10月は淡水観賞魚の輸入があったことからわずかに輸入が記録されたものの、11月以降は再びゼロに。淡水観賞魚の大半を占めるニシキゴイの輸入が同月から止まったためとみられる。
ニシキゴイを日本から中国に輸出するために必要な中国側の許可は10月末で失効した。ニシキゴイは禁輸の対象外とみられており、中国側が更新しなかった理由は不明だ。
23年の魚介類の輸入額は全体で0.1%減とほぼ横ばいだった。国別では、韓国やスペインが増加した。