【ワシントン時事】米商務省が30日発表した10月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比3.0%上昇した。最近のエネルギー価格の下落を背景に、伸びは4カ月ぶりに鈍化。2021年3月以来、2年7カ月ぶりの低水準となった。
価格変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は3.5%上昇と、伸び率は3カ月連続で縮小した。いずれの上昇率も米連邦準備制度理事会(FRB)の物価目標の2%を上回った。
項目別では、エネルギー関連が4.8%、耐久財が2.2%それぞれ低下。一方のサービス価格は4.4%上昇と、引き続き高い伸びを示した。人件費がコストの多くを占めるサービス分野の価格は、人手不足傾向を背景とする賃金上昇が押し上げ要因となっている。
ただ、インフレ率は昨年半ばのピークから大きく下がった。FRBは「インフレ(抑制)には目に見える進展があった」(高官)と、物価安定の回復に自信を深めている。12月半ばの次回会合では、経済指標を踏まえ、利上げの是非を慎重に判断する。
10月の個人消費支出は前月比0.2%増と、前月(0.7%増)から伸びが減速した。
◇米PCE物価指数
9月 10月
PCE 前月比 0.4 0.0
前年同月比 3.4 3.0
PCEコア 前月比 0.3 0.2
前年同月比 3.7 3.5
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.4 0.2
可処分所得 前月比 0.4 0.3
個人消費 前月比 0.7 0.2
モノ 前月比 0.7 ▲0.2
耐久財 前月比 1.1 ▲0.5
非耐久財 前月比 0.5 0.0
サービス 前月比 0.7 0.4
貯蓄率 3.7 3.8
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少