メニュー

米独禁当局、アマゾンを提訴=競争妨害、巨大ITへの逆風強まる

米アマゾンのロゴマーク
〔写真説明〕米アマゾンのロゴマーク(AFP時事)

 【ワシントン時事】米連邦取引委員会(FTC)とニューヨーク州など17州の司法当局は26日、米インターネット販売最大手アマゾン・ドット・コムを反トラスト法(独禁法)違反で提訴したと発表した。出品企業による競合サイトでの値下げ妨害や、高額な手数料徴収など優越的な地位を利用して健全な競争を妨げたと主張した。

 米司法省や一部の州は、メタ(旧フェイスブック)やグーグルを独禁法違反で提訴している。バイデン米政権は、巨大ITの独占的地位に否定的な姿勢を示しており、逆風が一段と強まっている。  FTCのカーン委員長は声明で、「独占的な慣行に関するアマゾンの責任を追及し、自由で公平な競争の回復を求める」と述べた。 

 FTCは、アマゾンが競合サイトで値下げした出品企業の商品を自社サイトで表示されにくくしていると問題視。出品企業からさまざまな名目で高額の手数料を徴収し、販売価格を引き上げていると指摘した。自社商品を優遇しているとも批判した。

 FTCは6月にも、利用者の同意なく有料サービス「アマゾン・プライム」に誘導し、登録させようとしたとして、アマゾンを民事提訴している。

 アマゾンは同日、「FTCは、消費者保護と競争促進の役割から根本的に逸脱し、見当違いの提訴をしている」と批判し、争う姿勢を示した。