【ワシントン時事】米労働省が13日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比3.7%上昇した。最近のエネルギー高を受け、伸びは2カ月連続で加速。市場予想(3.6%上昇)も上回った。
変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は4.3%上昇。前月から減速したものの、依然として高水準で推移しており、インフレ圧力の根強さが改めて示された。
項目別では、中古車が6.6%低下した一方、エネルギー関連を除いたサービス価格は5.9%上昇。人手不足による賃金高が、人件費の比重が大きいサービス分野の価格押し上げ要因となっている。
米国のインフレ率は昨年半ばのピークを大幅に下回り、過熱気味だった労働市場にも若干落ち着きが見られる。ただ、景気は堅調さを維持し、旺盛な需要が物価上昇圧力となっている。
市場では、米連邦準備制度理事会(FRB)が19、20両日の金融政策会合で、2会合ぶりに政策金利を据え置くと予想されている。FRBは、これまでの急激な利上げが経済に及ぼす影響を慎重に見極める構えだが、インフレ再燃への警戒は緩めておらず、引き締め姿勢を堅持するもようだ。
◇8月の米CPI概要
消費者物価指数 0.6(前年同月比3.7)
コア指数 0.3(前年同月比4.3)
エネルギー 5.6
燃料油 9.1
ガソリン 10.6
衣料 0.2
新車 0.3
中古車 ▲1.2
帰属家賃 0.4
航空運賃 4.9
(注)前月比%上昇、▲は低下。季節調整後。前年同月比は季節調整前