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4~6月経常益、過去最高額=11.6%増、訪日客拡大―法人企業統計

(i-stock/izusek)

 財務省が1日発表した4~6月期の法人企業統計調査によると、全産業(金融業と保険業を除く)の経常利益は前年同期比11.6%増の31兆6061億円だった。増益は2四半期連続で、比較可能な1954年4~6月期以降で過去最高額となった。

 インバウンド(訪日客)需要の回復に加え、半導体などの供給制約緩和を背景に、製造業、非製造業ともに過去最高額を更新した。 

 非製造業の経常利益は19.0%増の20兆3405億円。訪日客効果でサービス業が大きく伸びた。

 製造業は0.4%増の11兆2656億円。輸送用機械が好調だった一方、パソコンやスマートフォン需要の低迷で情報通信機械は減益となった。

 設備投資額は4.5%増の11兆927億円と、9期連続のプラス。また、利益から税金や配当などの外部流出分を差し引いた内部留保(利益剰余金)は、2022年度末で前年度比7.4%増の554兆7777億円となり、11年連続で過去最高を更新した。

 財務省は、景気が緩やかな持ち直しから回復に進む状況を反映していると指摘。「海外景気の下振れや物価上昇などの影響を含め、今後とも企業の動向を注視していく」(担当者)としている。