【ワシントン時事】米商務省が27日発表した2023年4~6月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、季節調整済み年率換算で前期比2.4%増だった。伸びは前期(2.0%増)から拡大、4四半期連続のプラス成長となった。市場予想(1.8%増)も上回った。個人消費や設備投資などの伸びに支えられた、米経済の好調さが鮮明となった。
GDPの約7割を占める個人消費は前期比1.6%増(前期4.2%増)に鈍化したものの、12期連続の成長を維持。設備投資は7.7%増(同0.6%増)に急回復した。住宅投資は4.2%減、輸出も10.8%減だった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の急激な利上げにもかかわらず、景気が堅調さを保っていることが改めて示された。インフレは低下基調にあるが、人手不足を受けた賃金上昇のあおりでサービス分野の価格が高止まりしており、物価上昇圧力は根強い。
インフレ抑制には、強い景気や労働市場を冷ますことが必要とみられる。FRBは昨年3月以降で計5.25%に及ぶ大幅な利上げが今後経済に及ぼす影響や、経済指標を慎重に見極め、次回9月の金融政策会合で追加利上げの是非を判断する見通しだ。
◇4~6月期の米GDP速報値 国内総生産(GDP)
2.4( 2.0) 個人消費支出
1.6( 4.2) 設備投資
7.7( 0.6) 住宅投資
▲4.2(▲4.0) 輸出
▲10.8( 7.8) 輸入
▲7.8( 2.0) 政府支出
2.6( 5.0) 国内最終需要
2.3( 3.5) GDPデフレーター
2.2( 4.1) PCE
2.6( 4.1) PCEコア
3.8( 4.9)
(注)増減は前期比年率(%)、▲はマイナスまたは低下、カッコ内は1~3月期