日銀が12日発表した5月の国内企業物価指数(速報値、2020年平均=100)は119.1となり、前年同月比5.1%上昇した。プラスは27カ月連続。ただ、伸び率は5カ月連続で縮小し、21年6月以来約2年ぶりの水準となった。政府による電気・ガス料金の負担軽減策などで伸び率の鈍化が続いている。
企業物価指数は、企業間で取引されるモノの価格を示す。調査対象515品目のうち433品目で価格が上昇した。
5月は電力会社の再生可能エネルギー買い取り費用を利用者が一部負担する「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が引き下げられた影響もあり、「電力・都市ガス・水道」の伸び率は13.1%と、前月(24.3%)に比べ抑えられた。
一方、飲食料品は7.9%上昇と、前月(7.5%)から拡大した。原材料高による価格転嫁が目立っているという。 輸入物価を円ベースで見た輸入物価指数は5.4%低下し、2カ月連続のマイナスとなった。原油価格の下落が主因で、契約通貨ベースでも9.6%低下した。