【ワシントン時事】米商務省が24日発表した1月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比5.4%上昇した。伸び率は前月(5.3%=改定)を上回り、7カ月ぶりに加速した。米インフレの根強さが改めて浮き彫りとなった。
連邦準備制度理事会(FRB)が目標とする2%を引き続き大きく上回った。インフレは峠を越えたもようだが、FRBは「受け入れ難いほど高い」(会合議事要旨)と警戒。追加利上げで景気を冷まし、物価高を抑制する考えを示している。
項目別では、モノの物価上昇率が4.7%と、鈍化傾向が続いていることが確認された。ただ、人手不足を背景とした賃金上昇の影響を受けやすいサービス分野は5.7%と、2カ月連続で加速。物価全体を押し上げた。
価格の変動が激しいエネルギーと食品を除いたコア指数は4.7%上昇。伸びは4カ月ぶりに拡大した。
1月の個人消費支出は前月比1.8%増と、3カ月ぶりに増加に転じた。米経済をけん引する個人消費の底堅さをうかがわせた。
◇米PCE物価指数
12月 1月
PCE 前月比 0.2 0.6
前年同月比 5.3 5.4
PCEコア 前月比 0.4 0.6
前年同月比 4.6 4.7
個人消費・所得
個人所得 前月比 0.3 0.6
可処分所得 前月比 0.4 2.0
個人消費 前月比 ▲0.1 1.8
モノ 前月比 ▲1.6 2.8
耐久財 前月比 ▲2.0 5.5
非耐久財 前月比 ▲1.3 1.2
サービス 前月比 0.6 1.3
貯蓄率 4.5 4.7
(注)単位%、貯蓄率を除き上昇/増加、▲は低下/減少