【北京時事】中国国家統計局が15日発表した11月の小売売上高は前年同月比5.9%減少した。前年割れは2カ月連続。落ち込みは前月(0.5%減)から拡大し、6カ月ぶりの大きさとなった。新型コロナウイルスの感染拡大で消費者心理が冷え込んだ。
中国経済は11月、感染者数の急増を抑え込もうと当局が各地で行動規制を強化したこともあり、混迷が深まった。消費の柱となる自動車は4.2%減とマイナスに転落。コロナ対策の影響を受けやすい飲食も8.4%減と低迷した。
同時に発表された11月の鉱工業生産は2.2%増と、伸びは前月(5.0%増)を下回った。米アップルのスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」を生産する台湾企業の巨大工場で生産調整が行われたことなどが響いたもようだ。幅広い投資動向を示す1~11月の都市部固定資産投資も前年同期比5.3%増と、1~10月(5.8%増)より鈍化した。
野村ホールディングスの推計によると、11月末には総人口の3分の1を上回る5億人超が行動規制の対象となった。12月に入ってからは規制が緩和される一方、感染者数が急増し、各地で「感染爆発」が発生。統計局は15日の発表に合わせて予定していた記者会見を前日に突如中止した。感染拡大を受けた措置とみられる。