【米ウォルマート】19年1月期は4年ぶりの営業増益、海外事業は苦戦

2019/02/21 18:00
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ウォルマート
営業利益がプラスとなるのは4年ぶり。

 

 米ウォルマートが発表した2019年1月期の業績は、会員制倉庫店サムズ・クラブの会費収入を含む総売上高が前期比2.8%増の5144億ドル(約56兆2500億円)、営業利益が7.4%増の219億ドルと増収増益だった。営業利益がプラスとなるのは4年ぶり。ただ、ブラジル事業売却や中国EC(インターネット通販)大手JD.comへの投資評価損などの影響で、純利益は32.4%減の66億ドルと減益だった。

 

 従業員の待遇改善やEC事業への先行投資負担などで減益が続いていた米国事業の営業利益は、2.3%増の173億ドルだった。ネットで注文した商品を店頭で受け取る「オンライン・グロサリー・ピックアップ」や食品宅配サービス「オンライン・グロサリー・デリバリー」の対応店舗を増やした効果で、既存店売上高が3.6%伸びた。EC売上高は40%増だった。

 

 前期に大幅減益だったサムズ・クラブ事業の営業利益が66.1%増の15億ドルとなったことも、全体の利益を押し上げた。

 

 一方、海外事業の営業利益は6.6%減の48億ドルだった。主要市場では、メキシコは既存店売上高が3.8%増となるなど好調だった。中国は既存店売上高が0.2%の減少だったものの、経費の削減で営業増益を確保した。カナダと英国は営業減益となった。

 

 20年1月期は、米国での新規出店を10店舗未満に絞り込む。ウォルマートは新規出店投資を削減し、EC関連の投資を強化しているが、今期はその傾向を一段と鮮明にする。海外ではメキシコと中国を中心に300店舗強の出店を計画する。全体の設備投資額は、前期と同水準の約110億ドルを維持する。

 

 19年1月期末で2100店舗強だったグロサリー・ピックアップの対応店舗は約3100店舗に、800店舗弱だったグロサリー・デリバリーは約1600店舗に広げる。EC売上高は35%前後増える見通しだ。インドのEC大手フリップカートを子会社化した影響で、20年1月期の営業利益は1ケタ台前半の減益を見込むが、この影響を除くと1ケタ台前半の増益となるようだ。

 

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