アマゾン、NY第2本社計画を断念 候補地探しは現時点で再開せず

2019/02/16 09:00
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アマゾン
2月14日、米アマゾン・ドット・コムは第2本社の一部をニューヨークに新設する計画を断念すると発表した。地元政治家からの強い反対を受けた動き。ニューヨークで撮影(2019年 ロイター/BRENDAN MCDERMID)

 

[14日 ロイター] – 米アマゾン・ドット・コムは14日、第2本社の一部をニューヨークに新設する計画を断念すると発表した。地元政治家からの強い反対を受けた動き。

 

さらに、「現時点」でニューヨークに代わる候補地探しを再開しない方針を明示。同時に、第2本社の一部をバージニア州北部に、物流関連拠点をテネシー州ナッシュビルにそれぞれ新設する計画と、米・カナダのオフィスやテクノロジー拠点での採用は継続するとした。

 

第2本社新設計画を巡る決定に近い筋によると、アマゾンは前日から真剣な討議を開始し、14日午前に計画の撤回を決定した。デブラジオ・ニューヨーク市長は声明を発表し、アマゾンが地元のコミュニティと協力することができず、商機を「棒に振った」と批判した。

 

クオモ・ニューヨーク州知事も声明を発表し、一握りの政治家がニューヨーク市民の利益より「自身の狭い政治的な利益」を優先させたと非難。「失われた経済機会の責任を問われるべきだ」と述べた。

 

アマゾンは昨年11月、新本社をニューヨークのクィーンズ区と首都ワシントン近郊のバージニア州北部の2カ所に設置すると発表。投資額は50億ドル相当で、計5万人規模の新規雇用が見込まれていた。

 

ただ、アマゾンが過度の税優遇措置を確保したとして、クイーンズ区選出の議員らから強い反対の声が上がる中、アマゾンは前週から計画の見直しを行っていた。

 

アマゾンは、第2本社新設に向けたコミットメントに対し、長期にわたり計画を支える地元の政治家らからのポジティブかつ協力的な関係が必要との認識を示した。アマゾンの株価は終盤の取引で約1%下落している。

 

バンクレート・ドットコムのシニア経済アナリスト、マーク・ハムリック氏は「アマゾンが批判に屈したのはかなり予想外の展開だった」とし、アマゾンの計画撤回を受け、ニューヨークへの拡張を検討している他の企業も二の足を踏む可能性があるとの見方を示した。

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