米コカ・コーラ、ドル高で見通し予想割れ 第4四半期は値上げ響く

2019/02/15 12:00
Pocket

2月14日、米飲料大手コカ・コーラの第4・四半期は、北米での値上げが販売減につながった。ジョージア州アトランタで1月撮影(2019年 ロイター/Kirby Lee)

 

[14日 ロイター] – 米飲料大手コカ・コーラの第4・四半期は、北米での値上げが販売減につながった。ドル高を踏まえて発表した通年利益見通しは市場予想に届かず、株価は中盤の取引までに7%超下落した。

 

コカ・コーラはドル高の影響を踏まえ、通年の1株利益見通しが2.06―2.10ドルになるとの見通しを表明。予想平均の2.23ドルを下回った。

 

通年のコア売上高の伸びは約4%になると予想。前年の5%増から減速する。

 

コカ・コーラは競合のペプシコなどと同様に輸送費やコモディティー(商品)価格の上昇で苦戦を強いられているが、これに加えドル高が一段の重しとなっている。

 

売上高の約3分の2を国外で稼ぎ出している同社は、19年上半期に中東、アルゼンチン、トルコが特に軟調になると予想。ジェームズ・クインシー最高経営責任者(CEO)は「マクロ環境を踏まえ、業績見通しについては慎重でありたい」とし、「19年入りに当たり、消費者に対する圧力は増大した」と述べた。

 

コカ・コーラはコスト高に対応するために値上げを実施。これにより需要が削がれ、第4・四半期の販売量は北米が1%、中南米が2%、それぞれ減少した。

 

第4・四半期の株主帰属の純利益は8億7000万ドル。前年同期は税関連費用を計上したことから27億5000万ドルの赤字だった。

 

特別項目を除く1株利益は0.43ドルで、市場予想と一致した。

 

売上高は6%減の71億ドル。利益率の低いボトリング事業の再フランチャイズ化が重しとなった。ただ、予想の70億3000万ドルは上回った。

 

ジェフェリーズのアナリスト、ケビン・グルンディ氏は第4・四半期決算について、数量ベースの販売が低調になるなど思わしくなかったと指摘。バーンスタインのアナリスト、アリ・ディバド氏は通年の見通しについて、「コカ・コーラは為替相場と税制について極めて慎重に対応しているが、それを差し引いても失望させられる内容だった」と述べた。

 

中盤の取引で株価は7.4%安の46.07ドル。一時は45.87ドルまで下落した。

 

© 2024 by Diamond Retail Media

興味のあるジャンルや業態を選択いただければ
DCSオンライントップページにおすすめの記事が表示されます。

ジャンル
業態