米アップル、10─12月期はサービス事業好調 株価6%高

2019/01/30 10:18
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アップル
1月29日、米アップルが発表した第1・四半期(10─12月)決算は、売上高が市場予想を若干上回った。写真はアップルのロゴ。北京で撮影(2019年 ロイター/Thomas Peter)

 

[29日 ロイター] – 米アップルが29日発表した第1・四半期(10─12月)決算は、サービス事業の売上高が大幅に増加した。また、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は米中貿易摩擦に緩和の兆しが見られると述べ、株価は引け後の時間外取引で6%上昇した。

 

 第2・四半期(1─3月)の売上高見通しはレンジの上限がアナリスト予想平均付近にとどまり、中国などで引き続きiPhoneの需要が減速する可能性を示唆する格好となったが、市場ではアップル・ミュージックやアプリストアなどを含むサービス事業の成長に注目が集まった。

 

 ティグレス・フィナンシャル・パートナーズのアナリスト、イバン・ファインセス氏は「サービス事業の数字は良好で、これが市場が引き続き注目する今後の成長エンジンになる」と述べた。

 

 クック氏はロイターのインタビューで、12月と比べて1月は米中貿易摩擦が和らいでいるとの認識も示し、「両国が解決策を見いだすことができると楽観している」と述べた。同氏はトランプ大統領と定期的に連絡を取っている。

 

 第1・四半期の売上高は843億ドル。リフィニティブのデータによるアナリスト予想は840億ドルだった。アップルは今月初め、第1・四半期の売上高が昨年11月に示した見通しを下回ると明らかにしていた。

 

 1株利益は4.18ドル。アナリスト予想は4.17ドルだった。

 

 サービス事業の売上高は108億ドルで、アナリスト予想と一致。同事業の粗利益率は63%と、前年同期の58.3%から上昇した。

 

 クック氏はロイターに対し「規模が拡大するにつれて効率が高まる」と指摘した。

 

 アップルは、サービス加入者(自社およびサードパーティーを含む)が3億6000万人に達したと明らかにし、2020年までに5億人を目指すとした。

 

 アップルは自社の決済システムを利用して外部のアプリやサービスに加入するユーザーも加入者集に数えており、処理する決済額の最大30%を徴収している。

 

 アクティブデバイス数は前年比1億台増の14億台。このうちiPhoneが9億台を占めるとした。

 

 アップルはiPhoneやその他端末のインストールベース(使用されている端末数)を定期的に公表する方針を明らかにした。同社は今回からiPhone販売台数の公表を停止している。

 

 第1・四半期のiPhoneの売上高は前年同期比15%減の519億ドル。クック氏は、軟調な中国経済が同国での販売に影響したと指摘した。また、米国外でのiPhoneの価格設定方法を見直していることを明らかにした。これまでは主にドル建てで設定してきたため、現地通貨での価格が高くなる傾向があった。

 

 クック氏は「為替に目を向けると、特に過去1年で減速した市場ではiPhone価格の上昇が明らかにより大幅だった」とし、「このため1月に入ってこれらの市場の一部についてマクロ経済情勢を精査し、販売を下支えすることを願って1年前の価格とより釣り合いの取れた水準に戻すことを決めた」と述べた。

 

 第2・四半期については売上高が550億─590億ドルになるとの見通しを示した。リフィニティブのデータによるアナリスト予想は588億3000万ドルだった。

 

 第1・四半期に実施した自社株買いは82億ドルと、7─9月期の194億ドルを大幅に下回った。

 

 キャッシュから負債を引いたネットキャッシュは1300億ドルで、前四半期の1230億ドルから増加した。アップルはネットキャッシュをゼロにすることを目指すとしている。

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