2019年の世界経済成長は3%の見通し、リスク直面も=国連

2019/01/22 12:06
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1月21日、国連は、年次報告書「世界経済状況・予測」で、2019年と20年の世界の経済成長率が3.0%になり、18年の3.1%を若干下回るとの見通しを示した。写真はシドニーで2014年9月撮影(2019年 ロイター/Jason Reed)

 

[ジュネーブ 21日 ロイター] – 国連は21日、年次報告書「世界経済状況・予測」で、2019年と20年の世界の経済成長率が3.0%になり、18年の3.1%を若干下回るとの見通しを示した。

 

また、2030年までに貧困を撲滅するという国連の目標を達成するには、緊急で具体的な政策対応が必要だと指摘した。

 

国連貿易開発会議(UNCTAD)のグローバリゼーション・開発戦略部門責任者、リチャード・コズル・ライト氏は「たくさんの黄信号が点滅している。一部は今後1年の間に赤信号に変わることがほぼ確実で、結果は非常に予測しにくい」と指摘。「成長は脆弱(ぜいじゃく)で、大きな不確実性が残っており、リスクが迫っている。われわれは2008─09年の金融危機の遺産から脱却していない」と述べた。

 

報告書はアフリカについて、「貧困削減目標を達成するには経済成長率は2桁台に達する必要がある。これは過去50年間の成長率を大きく上回る水準だ」とした。

 

コズル・ライト氏は、世界的な短期見通しは「それなりに心地よい」内容となっているとした上で、多くのリスクはここ数カ月で懸念材料となっていると述べ、これにはトランプ米大統領の減税政策に関連した「シュガーラッシュ(糖分の過剰摂取に伴う興奮状態)」の終わりが含まれると説明した。

 

ドイツと中国の景気減速、イタリアの銀行システム、英国の欧州連合(EU)離脱、また金融危機から10年が経過しても世界経済が過度に債務を負っていることに関連したリスクがみられる。

 

同氏は、国際レベルでのリーダーシップが不十分となる中、貿易、債務、地政学、気候など複数の面で経済成長への深刻な脅威があると指摘した。

 

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