【英テスコ】既存店売上高が6四半期連続でプラスに、本国で好調

2017/06/20 15:00
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 英テスコの業績回復基調が鮮明になってきた。同社が発表した2017年3?5月期の既存店売上高は海外を含むグループ全体で前年同期比1.0%増と6四半期連続でのプラスとなった。

 

 とくに本国イギリスの既存店売上高が2.3%増と好調を維持しており、3.0%減だった海外市場の落ち込みをカバーした。2014年にCEO(最高経営責任者)に就任したデイブ・ルイス氏は、価格の引き下げとサービス向上による競争力回復に注力してきたが、その成果が現れている。

 

 ポイントは商品の絞り込みとEDLP(常時低価格)政策で、取り扱いアイテムを減らすことで欠品率を削減、一時的な値下げ販促を止めて食品を中心に定番価格を引き下げた。競合する食品ディスカウントストアのアルディ、リドルなどとの差異化戦略として、健康志向への対応を強化。塩分・糖分控えめの食品、飽和脂肪酸が少ない食品の品揃えを増やすと共にこれら商品の定番価格を安くして、売上げを伸ばした。また、月額利用料を引き下げたオンライン販売の売上高も4.8%増えた。

 

 イギリスが欧州連合(EU)離脱を決めてからのポンド安進行で食品や日用品のインフレ傾向が続いており、ライバル各社との価格競争が和らいでいることもテスコの業績回復につながっている。

 

 海外市場の既存店売上高は、ヨーロッパが0.4%減、アジアが6.0%減だった。アジアでは、タイでタバコと酒の在庫処分を行ったことが、減収の主な要因。採算性の低いタバコと酒の販売を縮小し、食品・日用品に集中することで収益性を高める方針だ。

 

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