「仮想フードコート」を運営するスタートアップ企業の米キッチン・ユナイテッド(カリフォルニア州パサデナ)は7月25日、米食品スーパー最大手のクローガーやコンビニエンスストア「サークルK」の運営元であるカナダのクシュタールなどから、1億ドル(約137億円)の資金を調達したと発表した。
キッチン・ユナイテッドは、複数のレストランが共同利用できるゴーストキッチン(テークアウトとデリバリー専用の厨房)を設置して、レストラン事業者をテナント誘致。消費者が複数のレストランの料理をまとめて注文できるアプリを提供している。家族や友人同士で複数のレストランの料理を注文し、テークアウトしたり、宅配してもらったりできるため、仮想フードコートと呼ばれる。同社は、この仮想フードコートのパイオニア企業だ。
今回の資金調達は株式公開を控えたシリーズCラウンドに当たるもので、ショッピングセンター(SC)開発・運営のサイモン、「バーガーキング」などのファーストフードチェーンを運営するレストラン・ブランズ・インターナショナル、複数の投資ファンド、アメリカンフットボールの元スター選手であるペイトン・マニング氏なども出資した。
新たに調達した1億ドルを加えて、キッチン・ユナイテッドの累計資金調達額は1億7500万ドルに達した。同社は、全米の20地域で約200のゴーストキッチンを運営しているが、調達した資金でゴーストキッチンと仮想フードコートの出店を増やしていく。