米アマゾン(Amazon.com)は、商品宅配用の商用EV(電動車両)バンの本格導入を開始する。2022年中にボルチモア、シカゴ、ダラス、サンディエゴ、シアトルなど全米の100以上の都市で数千台を稼働させる。7月21日に同社が明らかにした。
EVスタートアップのリヴィアン(Rivian Automotive)が、アマゾン向けのEVバンを製造・納入する。アマゾンはリヴィアンに10万台を発注しており、2030年までに導入を完了する予定だ。
全台の導入が終われば、年間で数百万トンの二酸化炭素排出量を削減する効果が見込めるという。アマゾンは19年にNGO(非政府組織)と共同で気候変動対策を推進する活動母体「ザ・クライメート・プレッジ(The Climate Pledge)」を設立、脱炭素技術・サービスの開発を支援する20億ドル(約2700億円)の投資基金「クライメート・プレッジ・ファンド」を立ち上げた。アマゾンは同基金を通じて、リヴィアンに出資している。
アマゾンは21年からリヴィアンの試作車を使った配送テストを行い、これまで43万個以上の荷物を運んだ。延べ9万マイル(14万4000km)を走行し、車両の性能や安全性、耐久性などを検証した。
アマゾンが導入するのは、リヴィアンの主要3車種の一つ「EDV」をベースにカスタム開発された車両で、ドライバーに配送ルートを知らせるナビゲーションシステムや、ドライバーが車両に接近したり離れたりするとドアが自動で施錠・開錠される機能などが搭載されている。