米ターゲット、過剰在庫を圧縮=消費行動の変化踏まえ、5~7月の利益率低下

時事通信
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ターゲットの外観
米小売り大手ターゲットは7日、過剰在庫の圧縮やサプライチェーン(供給網)強化に取り組むと発表した。

 【ニューヨーク時事】米小売り大手ターゲットは7日、過剰在庫の圧縮やサプライチェーン(供給網)強化に取り組むと発表した。経済活動の正常化を背景に、消費者の支出がモノからサービスへと変化したことで、一部商品の在庫が積み上がり、重荷となっているため。追加費用を見込み、5~7月期(第2四半期)の営業利益率の見通しを2%程度に下方修正した。

 下半期の営業利益率は6%前後に回復するとの見通しを示した。5~7月期の従来予想は、前四半期と同程度の5.3%程度を見込んでいた。

 同社は、販売やコスト管理の計画を見直し、需要が伸びている食料品や家庭用品、美容関連用品の販売を強化する一方、失速した電化製品などの売上見通しをより保守的に見積もる。発注の取り消しや値引き販売などにより、過剰在庫を圧縮する方針。

 サプライチェーンを強化するため、港湾での商品の保管能力を増強する。今後2年間で、配送センターを5カ所増やす計画も示した。

 コーネル最高経営責任者は「追加的な費用が発生するが、迅速に対応することで下半期以降の収益性が改善すると確信している」と説明した。

 米国では、新型コロナ感染拡大期には、モノの需要が急増。自宅で過ごす時間が増えたことで、家電などの販売が増加した。しかし、経済活動が正常化すると、娯楽や飲食など、対面のサービス需要が急増。モノの販売は失速している。

 同社の2~4月期決算では、家電などの需要急減を受け、在庫が前年同期比4割以上増加。減損を迫られ、業績の足を引っ張った。米メディアによると、サプライチェーンの混乱による納入の遅れで、販売時期を逃したケースも多いという。

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