米ウォルマートは、ドローンによる宅配サービスの対象エリアをアリゾナ州やアーカンソー州など6州の約400万世帯に広げる。2022年内に34カ所のドローン配送拠点を新たに設置し、注文を受けてから最短30分で商品を届ける。
ドローンの運航は、スタートアップ企業のドローンアップ(DroneUp、バージニア州)が行う。ドローンアップは、米連邦航空局(FAA)認定のドローンパイロットを全米で組織化しており、ウォルマートの配送拠点にドローンパイロットが常駐する。
ウォルマートとドローンアップは20年9月から、新型コロナウイルス感染症検査の検体採取キットをドローンで配送する実証実験を開始。現在はアーカンソー州とノースカロライナ州の一部で、店舗からのドローン宅配の試験運用を行っている。
新たにドローン宅配の配送拠点を設置するのは、アリゾナ、アーカンソー、フロリダ、テキサス、ユタ、バージニアの6州。配送拠点はウォルマートの店舗に併設し、注文を受けた商品は店頭からピッキング、梱包した上でドローンに積み込む。ドローンはEC(インターネット通販)利用者の自宅の庭などに着陸、利用者が商品を受け取る。
ドローンによる配達料は3.99ドルで、ウォルマートの店舗で取り扱う食品や医薬品、日用品など総量10ポンド(約4.5kg)までの商品を注文できる。ドローン宅配の注文受付時間は、午前8時から午後8時まで。
ウォルマートは21年6月、ドローンアップに出資、同社との提携関係を深めている。両社は今後、ドローンサービスを配送拠点周辺の企業や自治体にも提供していく。例えば、ドローンで空撮した写真を建築工事の進捗管理用として提供することなどを想定している。