【ファーストリテ】米ギャップ買収の観測高まる、英紙報道がきっかけ

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 欧米のメディアでファーストリテイリング(FR)によるカジュアル衣料製造小売(SPA)世界最大手、米ギャップの買収観測が高まっている。英タイムズ紙が16日、FRの柳井正会長兼社長の取材記事を掲載したのがきっかけ。タイムズ紙によれば、柳井会長はギャップ買収について「あり得ない話ではない」と語り、「(買収を)視野に入れている」と付け加えた。

 FRは「2010年に売上高1兆円、経常利益1500億円」の目標を掲げている。2009年8月期の連結業績予想は売上高6600億円、経常利益950億円となっており、このため「3000億~4000億円規模のM&A(企業の買収・合併)」(柳井会長)を行う計画だ。

 米ギャップの2009年1月期の売上高は前期比8.3%減の145億ドル、既存店売上高は12%減(前期は4%減)と大きく落ち込んでいる。このため1年前に25ドルだった株価は4ドル前後で低迷、現在の時価総額はわずか約2億3000万ドル(約225億円)となっている。

 FRは過去に米高級百貨店「バーニーズ・ニューヨーク」や香港のSPA「ジョルダーノ」の買収に意欲を示したが、いずれも成功しなかった経緯がある。

 FRは「2020年には世界一のアパレル製造小売グループになる」と公言しているが、仮にGAPを買収すればその目標をすぐに達成できることになる。

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