世界小売業2位の仏カルフールは6月28日、ブラジル事業の合併について現地の投資ファンド、ガマから提案を受けたことを明らかにした。
提案の内容はブラジルの小売業最大手コンパニア・ブラジレイラ・デ・ディストリブイカオ(CBD)とカルフールのブラジル現地法人を合併させるというもの。これが実現すれば、合併後の新会社はブラジルで2300店を超える店舗網を持つ圧倒的ナンバーワン企業になる。
ただ、CBDにはカルフールの最大のライバルである仏カジノが出資しており、CBD創業者のアビーリオ・ディニス会長と共同で経営に当たっている。カジノ側は今回の提案に反対しており、仮にカルフールが提案を受け入れても合併がスムーズに進むかどうかはわからない。
また、今回の提案はガマがCBDと合併することを前提としており、その後にCBDとカルフールのブラジル現地法人が合併すると、ガマはカルフールの株式の11.7%を保有することになる。ガマはそのほか市場でカルフール株式の6%を取得し、筆頭株主となることを目指すとしている。
本国フランスの事業が低迷するなかで、ブラジルはカルフールにとって最も重要な市場の一つだが、同社の取締役会が今回の提案を受け入れるかどうかは不透明だ。