家電量販店大手のコジマは10日、従来予想では24.5億円の赤字だった2010年3月期通期の連結営業損益の予想を一気に76.4億円引き上げ、51.9億円の黒字になりそうだと発表した。前期の営業損益は108.5億円の赤字だったため、約160億円の利益を積み増すV字回復となる。ただ、コジマの場合は前期まで営業外収益に計上していた販促協賛金(メーカーからのリベート)を今期から原価から差し引く会計処理に変更したことで営業利益が押し上げられている面がある。このため、連結経常利益予想の引き上げ幅は16.1億円にとどまるが、それでも通期では47.2億円と前期の51.3億円の経常赤字に比べれば98.5億円の大幅改善となる。
同社によれば在庫圧縮による見切り販売の減少などが粗利益の改善につながった。また、今年5月からのエコポイント制度による地上波デジタル対応テレビや省エネの冷蔵庫、エアコンなどの販売好調が追い風となり、売上げが当初予想を上回ったことも利益の大幅増につながった。10年3月期の連結売上高は従来予想から37.8億円増の4296億円(前期比6.6%減)を見込む。
家電量販店ではヤマダ電機やエディオンも09年9月中間期の利益予想を上方修正するなど、コジマと同様、エコポイント制度導入による恩恵が顕著となっている。