ファーストリテイリングは7月22日、婦人服専門店を運営する子会社キャビンの事業撤退を発表した。同社は事業拡大の一環として2006年8月にキャビンをTOB(株式公開買付)により完全子会社化、ユニクロで培った店舗オペレーションや在庫管理ノウハウを応用することで経営不振に陥っていたキャビンの建て直しを図ったが、うまくいかなった。同社はワンゾーンやビューカンパニーといった靴事業でも買収後の建て直しに失敗しており、M&A戦略の軌道修正を迫られている。
キャビンは9月1日付けでファーストリテ完全子会社の高級婦人服専門店リンク・セオリー・ジャパンに吸収合併させる。「ザジ」などのブランドを展開するキャビンの店舗は、グループの別ブランドに転換するか閉鎖する。事業撤退に伴い2010年8月期に約30億円の特別損失を計上する。